SSブログ

神殿の縁側で静かに勤めを果たす狛犬 [狛犬・寺社(大町市)]

大町市、若一王子神社。
2013.02.10.nyakuichi1.JPG
仁科神明宮と並ぶ、大北地方の名社といっていいでしょう。

街道沿いの入口に立つ一の鳥居。
脇の社号標の別表神社の文字が目立ってます。
2013.02.10.nyakuichi2.JPG

由緒によれば垂仁天皇の時代、
仁科氏の祖となる仁品王が同地に社を建てて伊弉冉尊を祀ったのが始まりで、
後年、この地方の人の手により創始の神として仁品王と妹耶姫を合祀し、
嘉祥2年(849)に創建されたと伝えられています。

時代を降り、仁科盛遠宿禰が熊野詣の折に若一王子を勧請して以降、
若一王子の宮と称されてきました。

こちら、日本三大流鏑馬でもある子供流鏑馬神事で有名な神社ですね。
長野県の有形民俗文化財にもなってますが、
詳細解説は公式HPに任せることにします。

若一王子神社公式サイト

神社ですが、神仏習合時代の名残がまともに残り、
ある意味“名刹”といってもいいかも。

鳥居と三重塔のコラボがいい雰囲気です。
2013.02.10.nyakuichi3.JPG
三重塔は長野県宝。
2013.02.10.nyakuichi4.JPG2013.02.10.nyakuichi5.JPG
4千坪に及ぶ社叢は長野県の天然記念物指定。
2013.02.10.nyakuichi6.JPG
参集殿も立派ですね。
2013.02.10.nyakuichi9.JPG

拝殿は昭和50年建立。
2013.02.10.nyakuichi10.JPG
昭和48年の伊勢神宮の式年遷宮の折に社殿を贈与を受けて、
旧拝殿を幣殿にしてその前面に新拝殿として建立されたものです。

そして拝殿の隣には茅葺屋根の観音堂。
2013.02.10.nyakuichi12.JPG
宝永3年(1706)の建立。
こちらも長野県宝指定で、ご本尊は十一面観音。
内陣には彫刻や絵の施された厨子が置かれています。
2013.02.10.nyakuichi13.JPG

そして参道狛犬。
2013.02.10.nyakuichi7.JPG2013.02.10.nyakuichi8.JPG
昭和10年7月建立。
寄進人が大連市の方のようで、時代を感じます。
いわゆるひとつの岡崎現代型ですが、そのなかでも初期型といっていい感じ。

しかしこの若一王子神社で狛犬といえばやはりこちらでしょう。

弘治2年(1556)に造営されたのち、承応3年(1654)の改修を経て、
現在では国の重要文化財の指定を受ける立派な本殿。
2013.02.10.nyakuichi15.JPG
桧皮葺一間社隅木入春日造。
室町期の特徴をよくつかんだ社殿といわれ、
箱棟の赤鬼が特徴的です。
2013.02.10.nyakuichi14.JPG
で、狛犬。
2013.02.10.nyakuichi16.JPG
神殿の縁側に鎮座する、典型的な木造の神殿狛犬。
欄干で下半身がいまひとつはっきり見えないのが残念ですが、
顔のあたりは彫りが深い印象で、いい作りなのではないでしょうか。
ただ、本殿は国重文ですが狛犬は。。。

いつか全身像を間近で拝んでみたいものです。

(撮影日:2011年8月20日、12月18日)


より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。