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廻る狛犬 [狛犬・寺社(新潟県)]

新潟市稲荷町、湊稲荷神社。
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お稲荷さんなので、狐さんもいるわけですが、
こちらの神社には業界(?)では有名な狛犬さんがいらっしゃいまして。
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御影石で作られた、いまどきっぽい感じの子達。
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ところがこの子達の面白いのは、、、
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分かりますか?

そう、狛犬が台座の上で向きを変えているんです。
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この子達は願掛け狛犬ということで、
願い事を心に念じながら、男性は向かって右(阿形)を
女性は向かって左(吽形)を回して祈願するということだそうです。
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神社の由緒書きを兼ねた解説板はこちら。
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これによると、神社創建は享保元年(1716)。
所在地が港に近いことから、海運業者や漁業関係者の崇敬を集めていたそうです。
むかし、船乗りが遊びに訪れることを期待する遊女たちが
西風が吹いて船が出港できないようになることを願い、
夜中に狛犬の頭を西に向けたりしたらしく、
やがてこの荒天祈願が願掛け狛犬へと転じ、今に至る習俗となったそうです。

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じつはこの参道両脇の御影石の子達は二代目で、
平成7年(1995)に建立された子達。
拝殿に入るとその両側に先代たちが据えられています。
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先代は嘉永7年(1854)の銘があり、
新潟市において新潟市指定有形民俗文化財となっています。
市の有形民俗文化財の第一号ということらしく、
参道に置かれていた頃は願掛けによる頻繁な回転によって損傷がはげしくなり、
永久保存を行う意味から今のように保存展示(?)されるようになったのだそうです。
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まあ二代目が役割を果たしているし、
今でも参拝者の目に触れる形で据えられていますし、
民俗学的視点からもこれはこれでいいのではないでしょうか。

ちなみに同社はお稲荷さんなわけですから、
狐さんも当然ながらいらっしゃいます。
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顔が引きつっているように見えるのは、やはり前足に巻かれた麻紐のせい?(^^;
もちろんこれも願掛けですけれどもね。
願い事を書いた紙を挟んだ麻紐でお狐様の前側の両足首を縛り、
願いが成就したら外すということのようです。

神楽殿。
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社殿は耐震補強でしょうか。
鋼材で補強がなされていますね。
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そして稲荷神社のなかにある摂社の稲荷社。
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豊光稲荷大神。
なぜ稲荷神社の摂社に稲荷社があるのかの由来はこちらをば。
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赤い前掛けをした、いまどきな表情の狛犬たちでした。
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この湊稲荷神社は観光ルートにものっかっている様子で、
自分が取材中に観光タクシーで案内された観光客が数名参拝に訪れていました。
小さな神社でしたが、新潟にまた行く機会があればぜひ再訪したいと思います。

(撮影日:2012年10月7日)


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