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京都の三珍鳥居@木嶋神社 [狛犬・寺社(京都府)]

京都市右京区、太秦森ヶ東町の木嶋神社。
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木嶋と書いて“このしま”と読みますが、これは所謂通称らしく。
正式名称は、「木嶋坐天照御魂神社」。

・・・・・・読めますか?
“このしまにますあまてるみたまじんじゃ”が正解。
神社の呼び名は難しいのが多いです。
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でもって、この神社は上述の通称のほか、
「蚕ノ社」というのが観光ガイドブックなどをはじめとして
広く一般に知られた名称として使われているようです。
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本殿東側に並んで蚕養(こかい)神社があるのですが、
養蚕&織物&染色の神様として祀られており、
蚕ノ社というネーミングも当然そこからのもの。
2013.04.06.konoshima6.JPG
上の画像の右端っこにチラっと写っているのが蚕養神社。
正面からの写真は・・・・・すみません、迂闊にも撮り忘れ。

そもそもこの神社は渡来系の秦氏が創建したもの。
秦氏といえば全国お稲荷さんの総本社「伏見稲荷大社」や
酒の神様の「松尾大社」なども創建した、古代の有力氏族。
地名の太秦の由来も、秦氏に関連した説が有力のようで。

で、木嶋神社。

創建年は不明ながらも、続日本記の大宝元年(701)4月3日の条に
神社名の記載があることから、それ以前の創建と考えられています。

狛犬はいませんが、厳しい顔立ちの狐さんがいました。
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境内社の稲荷社。
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洞窟みたいな雰囲気の稲荷社もありました。
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そしてなにより同社は珍しい鳥居で有名ですね。
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こちら、三柱鳥居。
京都三珍鳥居のひとつ。
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京都三珍鳥居はすでに京都御苑の厳島神社の鳥居を ひとつ紹介エントリー済みなのでご参照を。

三柱鳥居は境内に設けられた「元糺(もとただす)の池」という池の中央、
石積みされた神座を囲うようにして立っています。
神座は宇宙の中心を表していて、四方より拝することができるという。

神社の創建同様、この三柱鳥居の建立年も不明。
神社の由緒書きによれば、現在見られるのは享保年間(約300年前)に
修復されたものだとされています。

とにかく全国でも数基しか類型が見られない珍しい鳥居。
この鳥居から北東に見られる四明岳(比叡山)には夏至の朝日が昇り、
その同軸を対面になる南東の方角に延長すると、
冬至の夕日が沈む方位に松尾大社のある松尾山が控えています。
同じように鳥居から北西方向には愛宕山には夏至の夕日が落ち、
同軸を対面の南東方向に延ばすと冬至の朝日が昇る伏見稲荷の稲荷山が。
・・・・・・という京の都を囲む四つの聖山に絡む神秘的な話が有名ですが、
さらには双ヶ丘という京都の聖地が真北に位置していることもあり、
なるほどこの鳥居に囲われた神座を宇宙の中心と捉えた話も
うなずけるところがあります。
2013.04.06.konoshima14.jpg
同社は観光客がわんさか訪れるような大社ではないですが、
古代人の思考を探るには大変興味深い社ではありますね。
であればこそ、取材に訪れたのが土砂降りの大雨というタイミングで
取材気分が萎えてしまったのが、かえすがえすも残念なことで。。。

(撮影日:2013年4月6日)


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