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一般のガイドブックにも載るカッパ狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市土淵町土淵、常堅寺。
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曹洞宗の寺で山号は蓮峰山。
室町時代の延徳2(1490)年に創建されたとのことですが、
ここがカッパで有名な遠野の中心地的存在ともいえる(?)お寺。
寺に隣接してカッパ淵というカッパ伝説の水辺が在り、
さらに境内にはカッパ狛犬なるものが存在するということで。

山門をくぐると、立派な体躯の狛犬さん一対がお出迎え。
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吽形は角付き。
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石がたくさん置かれています。

そして問題の(?)カッパ狛犬ですが、
こちらは境内の一角、十王堂の正面に鎮座しています。
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そしてこの狛犬たちに関する所縁として
カッパ淵の際に由緒書きが以下のようにありまして。

「河童
 馬を川に引きこむいたずらに失敗したカッパは、
 おわびをして許され、母と子の守り神となりました。
 常堅寺の火事のさいは頭の皿から水を吹き出して消しとめ、
 いまでも一対のカッパ狛犬として境内にその姿をとどめています。」

ということだそうな。。。
伝説は伝説として、大切に語り継いでゆきたいものです。
たしかにカッパ淵の様子は、観光客で賑わっていたとはいえ、
昔話の世界でカッパが棲んでいそうな、不思議な空気感がありました。
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ただ、肝心の狛犬のデザインはというと、
とくべつにカッパを模して作られたというふうでもなく、
どこにでもいるといって差し支えない蹲踞型の尾立ち狛犬。
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頭頂部の窪みに水の溜まることがカッパ狛犬と呼ばれる所以のようで、
頭部周囲もどことなく河童の皿頭を模したように見えなくも無いのですが、
頭に窪みを持つ狛犬自体はどこにでも居るというわけではないものの、
江戸時代に制作された狛犬にはときおり見られるデザインでもあり、
我らが穂高神社の若宮社前にいる狛犬のほか、
自分も何体かこうした窪みのある狛犬を目にしています。
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一般にこの窪みを設けた理由は複数の説があって、
ここに油をおいて火をつけ灯明代わりに用いたという説や、
原材料の石の大きさの都合で小さな石から制作するため
角(または宝珠)を後付けできるようにするためという説など、
いろいろ言われているようです。
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まあ、いづれにせよこうして注目される狛犬がいること自体は
ある意味歓迎すべきことなのかもしれません。
理由はどうあれ、このカッパ狛犬との出会いをきっかけにして
各地の狛犬に関心を持つ人がひとりでも多く出てきてくれれば、
それはそれで願ったりのことでもありますし。
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さて、この常堅寺を最後に、今回の遠野市内の取材は終了。
他にも立ち寄りたい神社がたくさんあったのですが、
またいつか再訪するときまで取っておきたいと思います。
狛犬と火の見櫓以外、ゆっくりと純粋な観光をまったくせぬままでしたし。

ところで常堅寺の近所を歩いていると、
ビールの原材料になるホップの畑が目に付きました。
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自分は知らなかったのですが、岩手県はホップ生産が全国有数なんですね。
そのなかでも遠野市一円は県内一の生産量なんだとか。
時代が時代なら、ビールを片手にした「酔っ払い狛犬」なんていうのも
もしかしたら彫られたりしていたかも(^^;

(撮影日:2013年8月13日)


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