SSブログ

村社から官幣大社へ昇格した神社 [狛犬・寺社(和歌山県)]

和歌山市和田、竈山神社。
2013.12.31.kamayama1.JPG
前エントリーの日前宮より南へ約3キロほど下った場所にあり、
由緒は神武東征の説にまで遡ります。

『御祭神の彦五瀬命は、第一代神武天皇の皇兄に坐し、大和平定の途中、
孔舎衙坂で長髄彦の軍と戦い、流れ矢に当たり給いて戦傷、
雄水門に至りて遂に崩御遊ばされ、竈山の地に葬られ給う。
今の社地は即ちその遺跡で、延喜式の神名帳に「紀伊国名草郡、竈山神社」と記され、
古くから官幣に与る皇室御崇敬の大社であり、天正年間まで社領8町8段を有したと伝えられている。
往古は社殿も宏大にして現地か東南山麓に鎮座し給うたが、戦乱の世を経て社頭衰微し、
徳川氏の入国後、社殿を再興した。
明治18年、官幣中社に列せられ、大正4年、官幣大社に昇格、
昭和13年には国費及び崇敬者の献資を以って社殿を造営し、境内を拡張して現在に至っている。
寛政6(1794)年冬、国学者 本居宣長はこの社に詣でて
「をたけびの かみよのみこゑ おもほへて あらしはげしき かまやまのまつ」と詠んだが、
竈山の岩根に鎮ります神霊は、日本の国の行手を永久に譲り給い、導き給うことと拝し奉る。』
(和歌山神社庁HPより)

由緒のように中世後期には日前宮同様、戦乱の中で荒廃し、
江戸期になって紀州徳川家などの手により再興を果たした経緯を持ちます。
近代社格制度において、明治14年に一度は村社の格を与えられますが、
神武天皇の長兄を祀る神社という由緒を持って、最終的には官幣大社にまで
昇格を果たしたという、全国的に見ても稀有な存在となっています。

日前宮方面から車で走ってくると、
神社少し北寄り手前、和田川を渡ったところに一の鳥居。
2013.12.31.kamayama2.JPG

そして参道入口に二の鳥居。
2013.12.31.kamayama3.JPG

静かな田舎の神社で、ゆったりした境内は、
しかしながら整然と整備されています。

鳥居の足元には護国系の籠神社型狛犬が一対。
2013.12.31.kamayama4.JPG2013.12.31.kamayama5.JPG
このタイプはいつどこで見ても、見事にコピーされているのが分かりますね。
地方は違えど、同一人物が作ったのではと思えなくもない仕上がり。
実際、本当に同じ作者かもしれませんね。
記銘がなかったのでなんともいえませんが。
2013.12.31.kamayama6.JPG2013.12.31.kamayama7.JPG
2013.12.31.kamayama8.JPG2013.12.31.kamayama9.JPG
狛犬の足元になにか小さな表札のようなものが。
よく見てみると、、、
2013.12.31.kamayama10.JPG
www
確かに各地の神社を巡っていると、狛犬の足元とか口の中に
お賽銭の置かれているシーンをよく見かけますね。
狛犬自体はあくまで守護獣であって拝む対象ではないのですが、
霊験あらたかな、という意味合いでもこめられているのでしょうか。
まあ、心無い人に持っていかれたりする可能性は無きにしも非ずですね。

御神門をくぐると立派な拝殿が目の前に。
2013.12.31.kamayama11.JPG
2013.12.31.kamayama13.JPG

その背後、少し拝観しづらいですが、幣殿が一段高い場所に。
2013.12.31.kamayama14.JPG

さらにその背後、さらに拝観しづらいですが、本殿がより一段高い場所に。
2013.12.31.kamayama15.JPG

塀の外に出たところに境内社の青葉神社。
2013.12.31.kamayama16.JPG

華美な様子はないですが、古社に相応しい凛とした空気を感じられる境内でした。
2013.12.31.kamayama12.JPG
2013.12.31.kamayama17.JPG

なお、前エントリーの日前宮と、この竈山神社、そして次のエントリー予定の伊太祁曽神社。
この三社は和歌山における初詣の「三社参り」の神社となっており、
和歌山電鉄貴志川線はこの三社参りの沿線沿いに走っています。
貴志川線といえば終着の喜志駅の“たまスーパー駅長”が有名ですね。
お参りついでに彼女にも会いに行ってきたのですが、
なにぶん高齢のため、面会中はずっとお昼寝していらっしゃいましたとさ(^^)

(撮影日:2013年12月31日)


より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。