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あの屯所跨ぎ櫓の将来がちょっと不安 [火の見櫓(北安曇郡)]

前エントリーの堀之内の火の見櫓と狛犬のツーショットを撮影しに行ったついでに、
すぐ隣の集落になる正科地区の火の見櫓を久しぶりに見に行ってみました。

2014.04.20.shoushina3.JPG
2014.04.20.shoushina4.JPG
池田町正科地区の火の見櫓は消防屯所の近所でも真横でもなく、
まさにその屯所の真上、というか一体になって立っています。

屯所や倉庫跨ぎの火の見櫓というと、長野県内では南信の
とくに茅野や原村あたりでよく見かけたりしましたが、
比較的おとなしいデザインが多い安曇野や大北界隈では
跨ぎタイプの火の見櫓は非常に珍しいものといえます。

しかもここのは南信で見られるのとはひと味違います。
2014.04.20.shoushina1.JPG
南信あたりで見られる跨ぎタイプは、だいたいが通常のタワー型で
末広がりの足元の内側に小屋があったり、建物の一部を
櫓の脚などが貫通しているという具合なんですが、
ここのは2階建ての建物の両脇に鉄骨柱を真っ直ぐに立て、
見事にごっそり跨ぎきっているという、なんとも大胆なデザイン。
2014.04.20.shoushina7.JPG

しかも屋根上部に設けられた広いステージのような踊り場でかなり高さがあるので、
そこに半鐘が設けられているだけでも十分なはずなのに、
そこに加えて通常の火の見櫓の見張り台部分をわざわざ付け足したような感じで。
2014.04.20.shoushina8.JPG
桜の花や建物の屋根越しに見張り台だけに絞って撮影すると
普通にタワー型の火の見櫓かと見紛うほど。
2014.04.20.shoushina5.JPG
2014.04.20.shoushina9.JPG

この火の見櫓が拙ブログに初登場したのはかれこれ2年半前
それ以来の再訪でしたが、鋳物の渋い半鐘も相変わらず存在感たっぷりで、
デザインも銀色の塗装も変わらずに輝いてきれいでした。
2014.04.20.shoushina6.JPG

がっ!、、、、、、

このひさびさの再訪で、ちょっと気になる情報を小耳に挟んでしまいまして。

「正科地区の火の見櫓、ひょっとして解体の危機かっ!?」

じつは桜や背景のアルプスなんかを含めて写真を撮っていた傍で
田んぼ仕事をしていた近所のお父さんがいらっしゃって、
目が合ったので、「怪しいものではございません」という意味も込めて
話しかけるなかで火の見櫓の話題を振ってみたんですけどね。

(前略)
自分「屯所を跨いでいる火の見櫓って、けっこう希少価値なんですよねえ。」
お父さん「へえ、そうかい?地元にいりゃあなんとも思わんけどなぁ。」
自分「なんであんなふうに造ったんでしょうね?」
(中略)
お父さん「今度、詰所の建替えやることになったんだけどな。」
自分「えっ!? 詰所って、、、建替えるんですかっ!?」
お父さん「そう。この前、みんなで集まってそう決まったでね。」
自分「えっ!? ってことは、あの火の見櫓はどうなるんですかっ!?」
お父さん「さあ、火の見櫓の話はよく知らんけど。」
(後略)

ってな会話に発展しちゃいまして。
でもってお父さんは最初自分が詰所解体&新築の見積りを出すために
調査に来た人間だと勘違いしていたらしいです。

いやはや、それにしても心配です。
確かに屯所の建物は1階がCB造で2階は木造(・・・なのか?)。
詳細は分かりませんが、古ぼけてきたというのは事実なのでしょう。
で、火の見櫓は一見すると屯所から独立して跨いでいるようにも見えるのですが、
細かなところを見ると部分的に建物の構造に組み込まれている箇所もあるんですよね。
2014.04.20.shoushina11.JPG
2014.04.20.shoushina12.JPG

もちろん、解体作業の中で切り離してしまうことも可能でしょうが、
普通に考えればこの跨ぎ櫓をそのまま残した状態で
屯所だけ解体して新築しなおすというのは手間も金もかかる話に違いなく、
ついでに解体しちゃえとなってもなんら不思議なことではありません。

隣接して防災無線塔がすでに完備されているという現状を鑑みれば、なおさら。
2014.04.20.shoushina10.JPG

正科のみなさんがどういう判断を下されているのか、
お父さんの話からは想像を膨らませるしかないわけですが、
願わくば、この希少性の高い火の見櫓。
次世代屯所に生まれ変わってもこのまま跨ぎ櫓として
生き長らえて欲しいと願ってやみません。

話し相手になっていただいたお父さんは
「そんなに珍しいものとは知らなかったからねぇ。
またみんなにそんな話をしておくわ。」
と、別れ際に語って下さいました。

果てさて、どうなりますことやら。。。
2014.04.20.shoushina2.JPG

(撮影日:2014年4月20日)


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