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善光寺三鎮守、妻科神社 [狛犬・寺社(長野市)]

長野市南長野、妻科の妻科神社。
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湯福神社、武井神社と並ぶ善光寺三鎮守の一社。
場所は善光寺から見て南西の方角にあり、
長野県庁本庁舎の北側の閑静な住宅街の一角に在ります。

創建年は不明ながらも、情報によれば善光寺開山より歴史が古いとされる古社で、
延喜式における式内社であり、旧社格においては県社となります。

ご祭神は八坂刀売命。
相殿として建御名方命と彦神別命。
湯福神社や武井神社同様に諏訪大社系の神社ですが、
ここでは旦那様ではなく奥方が主祭神として祀られているようですね。

木造の両部鳥居をくぐって境内へ。
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一段高いところにたつ拝殿。
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そのさらにもう一段、高台に建っているのが本殿。
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下からだと見えづらく、横に回ってみましたが、、、あまり代わり映えせず。

拝殿向かって右側には天神社。
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覆い屋かと思って近付いてみると、これ自体が神殿でした。

失礼ながら内部を拝観すると、真ん中に菅公と思しき人物の像。
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そしてその両脇には木造と思しき狛犬が一対。
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いかんせん内部は暗すぎて、フラッシュを焚いてもこの程度でブレまくり。

拝殿前に戻ると、両脇手前には御柱。
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諏訪系の神社独特の世界ではありますが、
安曇野では普段見かけないのですよね、御柱って。
なのでこうして諏訪大社以外で御柱を目にすると新鮮な感覚になります。

こちらは昭和6年4月14日建立、県社昇格記念の灯篭(?)。
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ケヤキの大木が多いのはありがちな話ですが、
それぞれに名札のようなものが取り付けられているのが不思議。
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氏子の町内ごとの神輿庫。
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社務所かと思ったら地区の公民館で。
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社務所はこちらでした。
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さて、狛犬たちは参道入口の鳥居前両脇に居まして。
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居たのは、いかにもといった感じの岡崎現代型。
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建立年ですが、阿形の台座には「大正9年(1920)秋 御柱祭記念」とあります。
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一方で吽形の台座には「大正10年 9月建設」とあります。
御柱祭に合わせて奉献しようとしたところ、ことのほか設置まで時間がかかり、
けっきょく一年越しになってしまった、、、といった感じなのでしょうかね? よく知りませんが。

多数の奉献者氏名のほか、石工名も確認できました。
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「岡崎 酒井孫兵エ 刻」
前エントリー記事の武井神社に引き続き2対目の酒井孫兵衛。
どうして「衛」だけがカタカナで「エ」なのだろうか?

武井神社は大正15年でしたので、こちら妻科神社のほうが年長さん。
デザインは子取り玉取りなのが大きく異なりますが、(←※)
基本的な容姿はほぼ一緒ですね、当たり前ですが。
ただ、細かな(毛並みとか)部分を見てみると、若干の違いが感じられます。
(※なにをトチ狂ったか、武井神社も子取り玉取りのデザインでした。失礼しましたm(__)m)
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今回は仕事で遠征したついでの早朝6時頃の訪問で時間的余裕がない取材でしたが、
岡崎現代型でもスルーせずにしっかり観察して各地のものを比較してみると
いろいろ見えてくるものがあって、これはこれで楽しそうですね。
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(取材日:2015年6月16日)



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コメント 4

彫刻石工せいしろーう

作者は同じのようですね。
基本的な作りは一緒に彫られています。

ただ、前足の巻き毛や子供の動きは変化があります。
それだけでも岡崎型としては変化を付けた方ではないかと。

この尻尾の形は共通しているのでこれがこの人のオリジナルの部分なのかもしれません。

当時の道具事情を考えるとこの形の方が石にストレスを掛けずに彫る事が出来るので彫りやすかったのではないでしょうか。

同時代の東京の石工に比べると考えも技術も随分違っていたようです。
by 彫刻石工せいしろーう (2015-07-17 10:29) 

のぶさん

>せいしろーう さん
どこの狛犬と勘違いしたか、武井神社も子取り玉取りでしたね。
本文に訂正を入れておきました。大変失礼しました。

やはり尻尾は特徴が出やすいのでしょうかね。
一般的なイメージはクネクネとした立ち尾の印象が強いのですが、
時代と職人による相違も同じ岡崎でもけっこうありますね。

地域ごとの石工の技術や考え方などが
結果としてデザインになって現れたのでしょうね。
狛犬の地方性は興味が尽きないです。
by のぶさん (2015-07-17 11:45) 

彫刻石工せいしろーう

この狛犬を見て思うのは訴えるものが感じられないという事。

無難には彫ってはいるが見ていて印象に残る部分が無い。

それはなぜかと言うと作者がこの狛犬をどう表現しようとしているかが抜けているせいではないでしょうか?

つまり見どころが無いため記憶に残らない物になってしまったのだろう。

良い狛犬と言うものは絶対に記憶に残るはずなんです。

長野の狛犬はその条件を充分に満たしている狛犬がたくさん存在しているのがいいですね。
by 彫刻石工せいしろーう (2015-07-17 20:39) 

のぶさん

>せいしろーう さん
コメントありがとうございます。

うん、さすがに本職の石工さんの意見ですね。
どんなジャンルでもそうなのでしょうが、
つくり手の気持ちって作品に表れるものですよね。

自分も各地の狛犬を取材して、いい作品とかいう次元を超えた、
身体がビクッと反応したり、言葉も出ず思わず息をのむような、
そんな出会いをした狛犬たちが何対かいました。
石工さんの狛犬たちに込めた思いの強さを、彼らを通して
感じたからかもしれません。
by のぶさん (2015-07-18 10:48) 

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