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昭和末期に地元石工が彫り上げた狛犬 [狛犬・寺社(松本市)]

松本市並柳の、並柳神明宮。
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並柳小学校の東側、
弘法山から中山へと連なる山並みの山腹に細長い境内があります。

上の画像が一の鳥居で、下は二の鳥居。
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こちらは5年ほど前に建立されたもので、まだ新しいです。
画像の奥に三の鳥居が見えますが、鳥居は三体ともすべて靖国鳥居。
神明宮さんは天照大神をご祭神としますが、
鳥居は同じ神明系でも伊勢鳥居ではなく靖国鳥居である場合が多いですね。
まあ、神明宮に明神鳥居が建っているよりも普通に自然ですが。

拝殿。
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拝殿の傍らに立つ御神木。
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本殿。
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まだ新しいようです。
千木が内削ぎなのに鰹木は奇数の3本で、なんとなくしっくりきません。
由緒書きがなかったので詳細はよく分かりませんが、なにか事情があるのでしょうかね。

狛犬。
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昭和60年(1985)9月吉日建立。

石工さんは2名の共同作業。
阿形:伊藤博敏
吽形:岩岡道雄

伊藤氏はいつもお世話になっている松本市中央の伊等石材店の現社長。
この狛犬は社長が27歳の当時に制作したものということになります。

下は昨秋狛犬講座を開催した折に使わせて頂いた、狛犬制作風景の画像。
2013.03.10.namiyanagi13.jpg
実際設置されているものとはまた違った印象ですね。

狛犬のデザインは江戸をベースにした松本型の特徴が見られますが、
田近氏の狛犬でよく見られるような鬣のボリュームはかなり控えめで、
胴体のスリムなものが多い松本型に比べて全体にふくよかなイメージ。
阿形に押さえられている子獅子の様子も印象的です。
2013.03.10.namiyanagi11.JPG2013.03.10.namiyanagi12.JPG
伊藤社長によれば、
「吽形=父親の持つ松本手毬を、阿形=母親の元から狙っている子獅子」
というのが制作のイメージになっているのだそうです。
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そういう目で見ると、なるほど子獅子のやんちゃなイメージがより膨らんできますね。
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昭和60年代といえば、岡崎現代型が全国各地の神社を席巻している時代。
さらには中国製の狛犬も流通し始めてくる時代ではなかろうかと思います。
そんな時代背景の中で地元の石工さんが手彫りした狛犬一対は
ある意味とても貴重な存在だと言えるのではないでしょうか。

(撮影日:2012年6月3日)


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