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長野県内最古(?)の狛犬 [狛犬・寺社(北佐久郡)]

長野県北佐久郡軽井沢町、碓氷峠の熊野皇大神社。
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軽井沢より旧中山道(“いちにちじゅうやまみち”ではないですwww)を行き、
群馬県との県境に鎮座しています。

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正真正銘、県境を跨いでいて、参道の中心を県境が走り、
社殿も信州と上州の地に半分ずつ立っています。
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名称は信州側は上述の熊野皇大神社と呼ばれ、
上州側は熊野神社の名前で呼ばれています。
ひとつの神社でありながらふたつの宗教法人となっており、
宮司も両県(両社)の側でそれぞれにいらっしゃるそうです。

景行天皇の時代に日本武尊が熊野三社を勧請して創建したという
伝説的な由緒を誇る古社ということになりますね。

そしてここに、長野県下でもっとも古いのではとされる狛犬がいまして。

まず参道入口に岡崎現代型が一対。
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昭和50年5月15日建立。
これはとりあえずあっさりスルーww。

長野県最古といわれる一対は少し先の石段上り口にいます。
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由緒書きによれば、室町時代中期作とのこと。
室町時代を一般的な1336年から1573頃までだとすると、
1400年代半ば頃がその時代になるということですが、
山梨県市川三郷町の熊野神社にいる国産最古の石造狛犬との
評価もなされている子たちが応永12年(1405)の作ですから、
それに近い建立年代ということになりますね。
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はじめタイプとしては比較的大型の部類に属すると思いますが、
デザインなどはまさに石造狛犬の原始的スタイルを感じさせます。

阿形は口が大きく開き、オオサンショウウオのようなイメージ。
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吽形のほうがまだ表情がある程度残っていますが、
なんとなくマンガチックに思えなくもない、ユニークな表情。
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体毛をあらわす彫りの様子はまだはっきり見て取れ、
年代の古いわりにはしっかりしていると思います。
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長野県側では軽井沢町がこの子たちを文化財指定しているのですが、
いちおう一対で、ということになっています。
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県境を超えてしまっている阿形も含めてということでしょうが、
行政のやることにしてはこのへんは臨機応変という感じなのでしょうかね。

県境になる石段を上りきると隋神門がそびえています。
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その手前に据えられている、石の風車一対。
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元禄元年(1688)建立。
これも軽井沢町の文化財指定。
詳細は立て看板をご覧ください。
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隋神門両脇にいる狛犬一対。
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昭和17年(1942)5月建立。
目玉がやたらと大きいです。

御本殿は三殿立っています。
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中央(上信国境)=本宮:伊邪那美命、日本武尊。
向かって右(上州側)=新宮:速玉男命。
向かって左(信州側)=那智宮:事觧男命

ご覧の通り、信州と上州でそれぞれ社号標が立っていまして。
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お賽銭箱もそれぞれに用意されています。
やはり両方に入れないとご利益に影響あるのだろうか?

本宮と新宮の社殿。
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それぞれの神様に合わせて千木と鰹木の形状の違いが分かります。
本宮相殿の日本武尊は男ですけどね。。。

境内にそびえるシナノキ。
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長野県天然記念物指定。
シナノキは信濃の国と名づけられた由来になったとも言われていますね。

熊野神社の御約束ということで。。。
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長野県側の祈祷殿・神楽殿(写真左)と、群馬県側の神楽殿(同右)。
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外観が統一されていないのは、アシンメトリーを意識した訳ではないと思いますが、
これが西洋のキリスト教会なんかだったらきっと左右対称になったのでは。

参道を道路向かいに立つ、峠の茶店。
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こちらもまた県境を跨いで立っています。
(正確には写真のお店の建物部分は長野県側に属するようですが。)

古事記の世界においても日本武尊の伝説が伝えられる由緒ある碓氷峠。
古より一級の国内主要道であった旧中山道ですが、
急坂続きの難所だったことは高速道路が開通した現在でも変わりません。
ただ遊歩道も整備されているようなので、往時を偲びながら
歩いて同社を訪ねてみるのもいいかもしれません。

(撮影日:2012年10月7日)


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