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新潟総鎮守の神社 [狛犬・寺社(新潟県)]

新潟市中央区、一番堀通町の白山神社。
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主祭神:
菊理媛大神(白山大神=白山比咩大神)
伊邪那岐命
伊邪那美命

配祀神:
天照皇大神
八幡大神

その他、合祀神は数多く祀られています。

創建年は不明。
加賀の霊峰白山より菊理媛大神を勧請したのが始まりであることは違いなく、
神社HPの由緒によると、延喜年間とも寛治年間とも言われています。
延喜式神名帳にも名の上がる、古代より由緒ある神社ということで、
主祭神は海上の神としても崇められ、港町新潟の総鎮守の神様として
古くより崇敬を集めてきました。

同社のある場所は白山公園として広大な都市公園が形成されています。
これは明治6年(1873)太政官の布告により全国25箇所に設置された公園のひとつで、
その他の施設などとともに白山神社境内全体も公園に含まれています。
合祀されている神が多数存在するのはかつて松林のなかに点在していた神社が
公園造成による整備のため、合祀に至った結果だということです。

上の画像は参道入口の朱塗りの両部鳥居。

浪速タイプのような印象の狛犬が一対いました。
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昭和17年(1942年)10月建立。
石工:新潟市 竹石藤吉。

地元の石工が制作したようですが、
上方の特徴を捉えたこの狛犬はどういう制作背景があるのでしょう?
出雲ほどではないにせよ、浪速(畿内)型の狛犬も近世には北前船などで
各地に出荷されていたという話も聞きます。が、昭和17年という年代からすれば
上方からの“輸入”というのも、少々考えづらいです。
もしかしたら関西方面に修行に出ていたとか、交流があり、
経験などから上方に近いデザインに至ったのかもしれません。
あるいは単に既知の狛犬情報から作り出されたオリジナルというだけのことかも知れませんが。

参道を進むと、今度は陶器製の狛犬がいました。
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大正6年(1917)丁巳12月建立。

備前焼の狛犬です。
自分としては京都以外で備前の狛犬に出会ったのは初めて、、、かな?
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本体の後ろ足部分に制作年と並び「備前伊部窯元」と刻まれています。
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制作者の名前もあるのですが、ちょっと文字が判別しがたいです。

陶器製狛犬は産地以外でも建立されたりしているようで、
備前焼はそのなかでも一番有名な陶器狛犬であると自分は思いますが、
印象の似たようなタイプのものが多い気がします。
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新潟の人がわざわざ備前から狛犬を取り寄せたということですが、
やはり珍しいものであっと言わせたかった、ということもあるのでしょうかね?
よく分かりませんが。。。

神社はそのまま進み、幾つめかの鳥居を過ぎると立派な髄神門が構えています。
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当然、拝殿も立派。
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訪れた日はあいにく小雨のぱらつく天候でしたが、
社殿内では結婚式が営まれていました。

境内の一角に住吉神社が祀られています。
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境内にあった他の神様同様、明治6年の公園整備の影響を受けて
白山神社本殿に合祀されてしまうので、後に再建されたとあります。

住吉神社の社殿内には神輿が据えられていました。
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そして、白山神社で一番有名な狛犬たちが住吉神社の社殿近くにいます。
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典型的な出雲構えの狛犬一対。
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台座にある由緒書きには、宝暦から天明(1751~1789)にかけての間に
出雲より船に載せて運んできたという趣旨の解説があります。
最初は別の場所にあったものを移してきたともあり、
昭和10年9月の文字もあり、この時期に現在地に据え置いたのではと思われます。

出雲の来待石は風化しやすい材質ということで、
年代の古いものはデザインが分からなくなるほど風化していることが多いのですが、
ここの子達はまだしっかりと残っているほうですね。

それにしても・・・・・・
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この配置、もう少しなんとかならなかったんでしょうかね?
おそらく境内の整備に伴ってここへ追いやられたのではと推測しますが、
これだと神社の守護というより背後にある児童公園の番犬みたいな感じです。
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まあこれはこれで面白いっちゃあ面白いんですけどね。。。
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(撮影日:2012年10月7日)


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