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お腹がでかいのか、玉乗りなのか、、、 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都文京区本郷、金刀比羅宮。
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言わずと知れた、四国讃岐のこんぴらさんが本宮で、
こちらはその東京分社。
初めて知ったのですが、こんぴらさんの正式な分社というのは
全国で6社しかないそうですね。

東京分社は水道橋駅から徒歩数分、
東京ドームに面した白山通りから東へ一本入った路地に鎮座しています。

参道入口脇に立て看板がありました。
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同地一帯はかつて高松松平家下屋敷のあった場所なんだそうです。

狛犬は拝殿前に1対。
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嘉永2年(1849)己酉秋8月建立。

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吽形は子獅子を抱え込んでいる様子。
面白いのは阿形。

玉乗り狛犬の様式のようにも見えるのですが、
お腹そのものが膨らんでいるかのように見えなくもありません。
広島あたりで制作される玉乗りはもっと形がクリアでハッキリ球になってますし、
それに比べてこちらは鬣がこの玉もどきにまでかかっています。
やっぱり、肥満なお腹なんでしょうか? それとも、妊婦さん?

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拝殿と本殿は隣接の駐車場側から撮影。
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その駐車場入口にお稲荷さんが在りました。
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社務所はやはり、三崎稲荷同様に隣接ビルの1階になっています。
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もっとも、このビルは水道橋こんぴら会館ということで
同社系のビルのようですが。
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(撮影日:2014年4月8日)


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神田小川町の悲しい出来事 [火の見櫓(東京都)]

2年前、東京で取材した神田消防署駿河台出張所と、
そこに立つ火の見櫓について取材し、記事をエントリーしたことがありました。

今月初旬、所用で東京へ出た際、時間の許す限りの取材をして廻ったのですが、
その延長線上にかつて取材した駿河台出張所があったので、
久しぶりということで再訪したわけなんです、が、、、、、

、、、、なんということでしょう!
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出張所のあった場所がまったくの更地になってしまっているではありませんか!

現場に立ち尽くし、しばし呆然。
すぐに“大人の事情”で解体撤去となったのであろうと察しましたが、
それにしても想定していなかった事態でしたのでビックリです。

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(駿河台出張所、ビフォアアフター・・・)

で、帰宅後に情報を検索かけてみたら、
出張所の移転はすでに一年前の平成25年4月の時点で実施されていたらしく、
麹町消防署九段出張所と、こちら神田消防署駿河台出張所の統廃合で、
現在は水道橋駅近くに三崎町出張所として立派な庁舎で
防災業務が継続されているということのようでした。

田舎に暮らしていると都会の情報に疎くなる、、、というわけではないですが、
とにかく惜しい建物と惜しい櫓を亡くしてしまいました。
鉄骨櫓がこの大都心の真ん中に残っていた事実が貴重でしたし、
昭和3年に建築された駿河台出張所はデザイン的にも洒落たところがあって、
関東大震災の教訓を活かして建てられているだけあって
耐震性能も現代の基準に照らし合わせても十分機能しているらしかったので、
まだしばらくは生き長らえるかなと思っていたので、残念でなりません。

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(在りし日の出張所建物正面の様子と裏手から見た櫓の様子・・・)

まあ、たしかに手狭感は否めないところなので、
三崎町の新庁舎が4階建てのビルディングであることを考えると、
機能面でやむを得ない部分もあるかなとも思わなくもないです。
が、、、、それでもなお、やはり残念でなりません。

グーグルマップのストリートビューを見ると、
少なくとも昨年の7月頃までは移転閉鎖後も建物は残っていたようです。
夏から冬の間に解体作業が実施されたということでしょうね。
もう今となってはどうでもいいことですが。

信州でも火の見櫓の解体話を最近あちこちから耳にしますが、
ほぼ全滅といっていい東京都心の火の見櫓もまた
同じ境遇にあるということですね。

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(ビフォアアフターぱーと2・・・)

いやホント、残念です。
合掌。。。。

(撮影日:2014年4月8日)



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植栽で目立たない三崎稲荷の狛犬 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都千代田区三崎町、三崎稲荷神社。
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水道橋駅の至近にあり、
ビルの谷間にあるこじんまりとした神社です。

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お稲荷さんらしい朱塗りの鳥居に朱塗りの拝殿。
本殿は正面側からでは見えなくて、駅側になる裏手から見るとこんな感じ。
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ここは吽形の狛犬に居る子獅子の様子がユニークなので
取材先に選んだのですが、、、
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なんとまあ、正面から見るとこんな感じで、樹木に覆われてしまっています。
事前に調べた情報だと正面はクリアだったはずですが、
樹木は大きな鉢植えのタイプで、近年になって新たに据えられたようです。

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仕方ないので側面から接写してみました。
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子獅子、親獅子の前足に押さえつけられているのですが、
仰向け状態で居り、親にじゃれているように見えなくもない、可愛い姿なのです。
が、やはり正面側からでないと子獅子の全身が写せないので、
いまいちその様子が分からないですね。

阿形のほうはノーマルな玉取りのポーズです。

あと、手水舎にも小さな狛犬さんが居ました。
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社務所は隣接するビルの一階です。
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いかにも都会の神社、って感じですね。

(撮影日:2014年4月8日)


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都会の真ん中で隠居した狛犬 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都千代田区神田駿河台、太田姫稲荷神社。
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中央線水道橋駅から南へ徒歩数分という、都会のど真ん中。
江戸城の鬼門に当たる位置に鎮座しています。
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詳しい由緒は境内の由緒書きを読んでいただくとして↓
2014.04.13.ootahime4.JPG
かいつまんで言えば、
太田道灌が姫君の疱瘡の病平癒を山城の国の一口神社に祈願し、
無事に姫の病が癒えたことから同社を江戸城内本丸に勧請。
その後、長禄元年(1457)には鬼門に移し、
さらに慶長11年(1606)に幕府により江戸城西丸の鬼門にあたる
神田駿河台へと遷座。
そして近代に入り、昭和6年(1931)に総武線建設のために移転を余儀なくされ、
今の境内が在る場所に再び遷座、現在に至るということのようですが、、、
、、、あまりかいつまんでいませんでしたね。

今回は時間の都合で行きませんでしたが、
元宮は御茶ノ水駅の聖橋口付近にあったそうで、
いまもご神木が傍らに残されているそうです。

で、数ある都内の神社の中でここ選んで訪れたのは
こんな子達の情報を得たので。
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建立年がハッキリしない、構え獅子。
しかも、けっこう小ぶりで、且つすでに現役引退されているような雰囲気。

もちろん境内には居るので聖域守護の役割は務めているかもしれませんが、
端っこに追いやられ、しかも吽形は顔面の破損と修復の跡も痛々しく、
これはやはり大震災や空襲などに被災したということなのでしょうか。
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こういう高層ビルの林立する大都会の一角に
凛として鎮座する緑の樹木が茂る神社は、
まさに都会の中のオアシスのような存在なのでしょうね。
月並みな表現で申し訳ないですが。。。
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(撮影日:2014年4月13日)


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江戸を代表する天満宮の狛犬 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都文京区、湯島の湯島天満宮。
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湯島天神という通称のほうが通りがいいかもしれません。

社伝によれば雄略天皇2年(458)勅命により創建ということですから、
相当古い神社なんですね。

当初祀られたのは天之手力雄命。
正平10年(1355)に菅原道真を勧請。
その後、太田道灌による再建や江戸徳川家の崇敬などもあり、
文教大いに賑わったということです。

境内は幾つも入口がありますが、まずは正面の鳥居から。
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この鳥居は銅製の鳥居で、東京都指定有形文化財。
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寛文7年(1667)及び同8年の刻銘があり、
藁座の部分にカワイイ狛犬がいます。

参道の傍らに立派な宝物殿。
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そして狛犬が1対。
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平成9年(1997)12月吉日建立。
原画:松尾敏男。
施工:清水建設株式会社。
彫刻:株式会社タカタ。

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原画の松尾敏男は日本画家の大家で、同社拝殿の天井画なども手がけていますが、
同じく狛犬の原画も制作したということなのでしょうかね。
狛犬も江戸獅子らしく古風でありながらどこか現代的な印象もあり、
原画が存在するならその画も実際に見てみたいものです。

拝殿と本殿。
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その背後に境内社の笹塚稲荷と戸隠神社。
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こちらの戸隠神社にも狛犬はいました。
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おとなしいデザインの江戸狛犬です。

湯島天神の周囲は高低差が激しく、
神社へ通じる街路や参道も坂道や階段が多いです。
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画像は同社北側の夫婦参道。
そのほか画像はないですが、男坂や女坂などがあります。

社務所+参集殿と本殿を結ぶ橋。
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天神様なので、ちゃんと牛さんもいます。
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湯島天神。
東京の学生さんにとってはまさに聖地なんでしょうね。
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湯島天神公式HP

(撮影日:2014年4月8日)


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三囲神社アゲイン [狛犬・寺社(東京都)]

東京都墨田区向島、三囲神社。
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昨年6月に初取材で訪れて以来、2回目の訪問。
梅雨時期の訪問となった前回は生憎の雨模様だったせいもあって、
鬱陶しい気分のなか撮り忘れた狛犬が居たり、ピンボケがあったり、
写真撮影が満足のいくものとならず。

今回はこれ以上望むべくもないほどの好天に恵まれ、
意気込んでリベンジマッチを望んだのですが、
天気が良すぎると陰影がハッキリつきすぎて
これはこれで素人撮影としては難しかったりしまして。。。

拝殿前の狛犬と、元三越池袋店のライオン像。
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狛犬は延享2年(1745)建立。
石工:和泉屋太郎芥。

そして大國神&恵比寿神の狛犬。
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延宝7年(1679)己未建立。
この子達は前回ほとんどピンボケでろくな画像がなかったので、
今回は表情まで含めてしっかり撮影できたのでよかったです。
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大国社の屋根には瓦狛犬も居ましたが、
これは前回雨のせいで気づきませんでした。
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そして前回撮影そのものをし忘れた子の元に向かいます。
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境内のはずれに建つ、顕名霊社。
ここは三井家の先祖を祭る御霊社で、
彫刻の下絵は川端玉章。明治7年(1874)建立。
平成6年(5年?)に第11代三井家総領家当主三井八郎右衛門高公邸から移築。
現在も三井家により祭祀がなされているとのことです。
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社殿は彫刻が素晴らしいですね。
もっと傍に寄ってじっくり鑑賞したいです。

そして目的の子達はこちら。
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むかし、スターウォーズの出演経験あり、、、というのは真っ赤なウソ。

建立年不明の陶器製狛犬。
2014.04.08.mimeguri19.JPG2014.04.08.mimeguri20.JPG
阿吽が左右逆であることからして、
もとは横置きだったものではないかという推測が可能。
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そして玉垣の内側には石造狛犬が1対。
2014.04.08.mimeguri22.JPG2014.04.08.mimeguri23.JPG
小ぶりですが、表情のデザインは凝られています。
これも阿吽が逆ですね。
これは手前のスターウォーズ狛犬とは違って
もとは縦置きだったのではと推測できます。

帰りがけ、ここの名物でもある三柱鳥居を再び鑑賞。
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手水舎(?)も三柱。
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付近の灯篭には狐のレリーフ。
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三井家所縁の神社は不思議な魅力満載です。
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(撮影日:2014年4月8日)


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江戸最古の獅子山 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都墨田区向島、牛嶋神社。
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スカイツリーのお膝元、というか、
神社の近所にツリーが出来てしまったということ。
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隅田川の左岸にあり、付近は水戸徳川家の下屋敷が在った場所でした。
その遺構を生かして現在の隅田公園が作られ、桜の名所となっているらしく。
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で、牛嶋神社はその隅田公園とセットで存在してような感じで鎮座しています。
取材時は散りかけでしたが、まだ桜の花も見られてきれいでした。

さて、境内。
鳥居をくぐると、さっそく1対目の狛犬が出迎えてくれます。
2014.04.08.ushijima4.JPG2014.04.08.ushijima5.JPG
昭和7年9月建立。
関東大震災で焼失した社殿復興を記念した所縁があるようですが、
銘文がところどころはっきり読みづらくて。
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図体はデカイですが、耳の大きい表情は愛嬌があります。

境内は決して広いわけではないものの、そのぶんきれいに整えられていて、
外国人観光客の姿もチラホラ見かけます。
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神楽殿。
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手水舎。
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昔の井戸?
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屋台庫かなにかでしょうか?
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こちらの例大祭は下町らしく、神輿などが出てにぎやかなもののようですね。

境内の一角に、撫牛という子がいます。
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自分の体の悪い部分を撫で、牛の同じところを撫でると
病が治るという、撫牛の風習。
この牛は墨田区登録有形民俗文化財です。

その傍らには日時計がありました。
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ところで同社の縁起ですが。。。

ご祭神は、
須佐之男命(すさのおのみこと)
天之穂日命(あめのほひのみこと)
貞辰親王命(さだときしんのうのみこと)

東京神社庁の由緒によれば、
貞観2年(860)、慈覚大師の御神託により創建したとあります。

公式HPはなさそうなので、他のウェブサイトにある二次資料を参照すると、
幕末までは本所の牛宝山明王院最勝寺が別当寺として同社を管理し、
牛の御前社として祀られる中、鬼門守護の社として将軍家の崇敬も厚かったようです。
明治維新後、神仏分離により社名を牛嶋神社と改称。
本所の鎮守として氏子の崇敬を集めてきました。

なお境内の由緒書きには同社付近に牛牧があった話が記されており、
同地の牛との所縁が理解できます↓ ↓ 
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さて、境内をさらに進むと三ツ鳥居があり、
鳥居をくぐると今回の目玉、江戸最古の獅子山が姿を現します。
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文政10年(1827)丁亥2月吉日建立。
石工:東都彫工 伊奈庄次郎正継。
大正7年9月改修の文字も別に見ることができます。

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年代的に見て、江戸において現存する最古の獅子山と評価分析されており、
墨田区登録有形民俗文化財となっています。
もちろん、登録理由は単に年代の古さだけじゃなく、
石工の仕事の良さも評価されてのことだと思います。

溶岩を用いたスタンダードな獅子山。
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子獅子は吽形の側に一体のみと、その点はややおとなしめ。
また子獅子は頭部に破損が生じたせいか、露骨な処置が施されているのですが、
あまり上手に出来ていないのがちょっと残念。
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ただ、阿吽ともに破天荒というところまではいかずとも、
親獅子の躍動感ある姿はやはり獅子山の醍醐味で、
尾の流麗に流れる彫りの様子もすばらしく、
獅子山の狛犬としてのお手本のような存在ではないでしょうか。
まあ、獅子山が本格的に製作されるようになる創成期の作品なので
シンプルスタンダードなのは自然なことかもしれません。
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あと、この獅子山の傍らに阿吽とも蹲踞した狛犬1対もいます。
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文化8年(1811)辛未2月吉日建立。
石工:和泉屋平吉(?)。

吽形は少し風化というか欠損しているようにも見えます。
震災などの場面で倒れて傷を負ったのでしょうか。
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そして同社にはあと1対、拝殿の両脇に狛犬がいます。
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享保14年(1729)己酉9月15日建立。

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江戸の町でも享保年間の狛犬となるとかなり古い時代に分類されます。
前足後ろ足とも彫りが素朴で、尾も流れではなく尾立ちになっています。
区HPによると、墨田区内では最古の狛犬とのことです。
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あと、この享保狛犬のすぐ傍にも牛が居まして。
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安政6年(1859)己未3月吉祥日建立。
石工:小梅村 角治郎。
牛御前の社にちなみ、狛犬代わりに奉納されたのであろうと、
区HPの文化財コーナーの一文が語っています。

牛で有名な神社ですが、狛犬研究家にとっても
見ごたえのある狛犬たちがたくさんいて、充実感を味わえる神社だと思います。
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(撮影日:2014年4月8日)


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三越の狛犬・・・もとい、ライオン [その他]

今朝の信濃毎日新聞。
毎週末連載の信毎こども新聞というコーナーにて
東京日本橋にある三越本店のライオン像が生誕100年を迎えたとの記事が。

で、今週東京へ出かけた際に自分も三越に立ち寄って
ライオンさんたちと対面してきたので、そのネタをちょこっと。

三越本店の正面玄関にライオン像が一対で据えられたのは
大正3年(1914)のこと。
それから数えて今年が100周年ということで、
三越では記念イベントや特別販売などを実施しており、
目玉として現在は閉店されてしまった各地の三越のお店で
かつて活躍していて今は地下で静かに眠りについていた
兄弟ライオンたちを一斉に特別展示するという企画がありました。
期間限定だったのですが、なんとか期間中に上京できまして。

本店正面玄関常設の一対は昨年にも取材済み。
今回再訪してみると、100歳のお祝いということで
花壇に囲まれて華やかに彩られていました。
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昨年の取材では三井家守護神の三囲神社を取材した折、
同社に移設されていた旧三越池袋店のライオン像を見たので、
その流れで本店の常設ライオンも取材したのですが、
今回はそれ以外の像に逢えるということで期待して来てみたのですが。。。

まあ、当たり前ですがまったく同じ型から制作されているので、
外観が瓜二つなのは当たり前で。

本店は本館と新館に分かれていますが、
出入口を中心に両館のあちこちに分散していたので、
三越なんぞ生まれてこの方まったくご縁のない生活をしている身としては
土地勘ならぬ店勘のない状態で探し回るのはけっこう大変でした。

いちおう、発見したライオンたちの画像は以下のとおり。
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地階の食品フロアにはチョコレートで出来たライオン(@_@)
本館1階の中央ホールにはなんと金箔のライオンが!

一部の子達はお召し物を羽織っておりました。
けっこう似合ってます(^^;

他にもあと2体は居たはずですが、すでに撤収済みだったのと
居場所が分からぬままタイムアウトとなってしまったのと。
まあデザインは瓜二つなのでとくに惜しいという気も起こらなかったですが。

三越ライオンの由来を遡ると、
100年前に制作された本店常設の子達は
トラファルガーのネルソン提督像の足元に鎮座するライオンたちを
モデルにしているということ。
ネルソンのそれも三越の場合も、守護獣としての位置付けには変わりなく、
それはすなわち狛犬の存在意義と根っこのところで共通しているということ。

ライオンはその力強さは権力の象徴であるのと同時に、
主(三越の場合、お店だけではなく顧客の意味)を守護する大切な役割をもつわけですね。

ということで、獅子つながりで記事アップしました。

(撮影日:2014年月8日)

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物悲しげな表情には理由がある? [狛犬・寺社(東京都)]

東京都葛飾区、高砂の天祖神社。
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京成本線高砂駅至近に鎮座している神社で、
前エントリー記事に書いたとおり、境内に火の見櫓が立っているのが特徴です。

下町の街路から鳥居をくぐって参道を歩くと、
隣地の公園との境に青面金剛像が。
2014.04.08.tenso21.JPG

そして拝殿前に狛犬が1対居るのですが。
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大正10年(1921)11月建立。
石工:小柴益治。

台座に“東宮殿下御外遊記念”と銘がありました。
大正時代の東宮といえば、もちろん昭和天皇のこと。
聞いたところによると、皇太子時代の同年に半年間かけて
欧州5カ国を歴訪されていたのだそうですね。
それを記念して奉献された狛犬ということのようですが、
外遊記念の建立というのは珍しいですね。
御大典記念というのは時折見かけますけどね。

にしてもこの子達、
表情が穏やかというか、ほんわかしているというか。
2014.04.08.tenso5.JPG2014.04.08.tenso6.JPG
江戸獅子のスタイルですが、顔つきに威厳は感じられません。
優しい表情の子達は他でも見かけるので、それは個性としていいのですが、
ここの子達、とくに吽形の子はどこか悲しげな、切なそうな表情にも見えます。

というのも、この子の正面の様子というのが。。。
2014.04.08.tenso7.JPG
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まあ見事に手水舎の屋根が被っておりまして。
そりゃあこれでは狛犬も悲しい顔になろうというものです。

調べたところ、この手水舎の場所にはなにかの木が植えられていたようで、
その当時は樹木の枝葉が邪魔して正面からは殆ど顔も見えない状態だったようです。
そして手水舎は狛犬の後ろ側(拝殿寄り)に建っていたようなのですが、
近年になってなにかの事情で樹木を撤去し、同地に手水舎を移設した模様。
背景の境内地は広々すっきりしただろうと推察しますが、
狛犬にとってはちょっと残念な結果になっちゃってます。

正面からの撮影は、阿形はまあ問題なく出来ますが、
吽形は手水舎の屋根下に潜り込んでやっとこさといった状況。
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手水舎の柱に立てかけてあった、お願いの看板。
2014.04.08.tenso11.JPG
書いている内容はもちろん当然のことでいいんですが、
自分から言わせると、狛犬の配置にもうちょっと気を配ってもらいたいなという思い。
もっとも、こういう類の冷遇(?)はけっこう全国各地で見られる光景なんですけどね。

拝殿。
2014.04.08.tenso12.JPG

本殿。
2014.04.08.tenso13.JPG

ご祭神は天照大神。
通常、お伊勢様を祀る地方の社といえば、神明社とか神明宮なわけですが、
東京エリアは明治初年頃、東京府が府内にあった神明宮などを改称させたことに由来するとか。
今でも都内に神明宮・神明社の名が少ないのはそのためなんだそうですね。

境内社の八雲神社。
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そして稲荷神社。
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2014.04.08.tenso16.JPG2014.04.08.tenso17.JPG
砂岩の狐たちは風化が始まってますね。

駅からの近道ルートからの路地から入る境内入口にも鳥居、
そして境内社や石造物が並んでいました。
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2014.04.08.tenso21.JPG

しかし、やはりここはこの子達のツーショット、ですね♪
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(撮影日:2014年4月8日)


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京成線沿いに立つツートンカラー [火の見櫓(東京都)]

東京都葛飾区高砂2丁目の火の見櫓。
2014.04.08.takasago3.JPG

数日前、透明タペストリーのU1教授が
日帰りで東京に行かれた際、この火の見櫓を取材してきたそうで。
ちょうど自分も上京予定があったので、ついでとばかりに行って来ました。

京成本線高砂駅の至近にあり、
乗っている電車の窓からもハッキリ分かるほど。
画像は近所の陸橋から撮影。
2014.04.08.takasago1.JPG2014.04.08.takasago2.JPG

立っている敷地は天祖神社の境内になるようで、
参道に鎮座する狛犬とのツーショット写真も楽しめたりします。
2014.04.08.takasago9.JPG
(狛犬については別エントリーで報告します。)

ツートンカラーが目を引きます。
全体のデザインとしては4脚柱のスタンダードなタイプで、
大きさは踊り場が一箇所設けられた中規模クラス。
2014.04.08.takasago5.JPG
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見張り台から上部とハシゴがオレンジ塗装で、その他が明るい緑。
どこかで見た色使いだなと思って記憶を辿ってみたら、
辰野町で見たのと使っている“色だけ”は一緒だった。
(辰野のほうはタワーは全体オレンジで、付属のスピーカーが明るい緑。)

下町とはいえ、東京23区内に残っている火の見櫓は貴重ですね。
この葛飾区以外には江戸川区など隅田川以東や
西部方面の郊外にはまだいくらかは残っているようです。

加速度的に撤去のすすむこの業界ですが、
この珍しいツートンカラーの火の見櫓は
ぜひ長生きしていただきたいものです。
2014.04.08.takasago4.JPG2014.04.08.takasago6.JPG

(撮影日:2014年4月8日)


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