西新宿の氏神様 [狛犬・寺社(東京都)]
東京都新宿区西新宿、新宿十二社熊野神社。
新宿駅西口の高層ビル群を西へと抜けると新宿中央公園の緑地があり、
その一角に熊野神社が鎮座しています。
同社は都庁を含む西新宿一帯と歌舞伎町の一部分を氏子地域としており、
まさに新宿を代表する神社といっても差し支えないでしょう。
創建の由緒は、応永年間(1394~1428)に中野長者と呼ばれた鈴木九郎が、
故郷の熊野三山より十二所権現をうつし祠ったところにあると伝えられます。
夕暮れ時に訪問した神社境内は、都心に在りながらとても静かで
外国人観光客と思しき数名が境内のあちこちで写真を撮ったりしていました。
そういえば、今回の東京取材では神社に立ち寄る外国人の姿を何度も見かけました。
ガイドブックで紹介される明治神宮などでは外国人の姿もごく当たり前の風景でしょうが、
日本人でも地元の氏子さんでなければあまり立ち寄ることもないような神社でも
けっこう外国人さんたちを見かけたのですよね。
さすがマルチナショナルな大都市東京といったところでしょうか。
立派な神輿が並んだ神輿蔵。
神楽殿と拝殿。
拝殿前に狛犬一対。
文化元(1804)甲子年9月吉祥日。
阿吽共に角があるのですが、阿形のほうは後付けのような?
素材も違う感じがするし、例えば宝珠かなにか付いていたものが取れてしまい、
代わりのものを取ってつけたのかなという印象ですが、果てさて真相やいかに?
**************
(追記:2015.03.10)
阿形共に角、と記載しましたが、阿形は宝珠だろうという指摘がありました。
たしかによく見れば宝珠のデザインですね。型崩れというか欠落している印象ですが。
ということで、阿形は宝珠、吽形は角ということで訂正させて頂きます。
**************
拝殿前の灯篭にも狛犬がいました。
飛び狛と構え狛。
拝殿の脇には池があり、
その奥にはお稲荷さん。
そしてそのお稲荷さんの隣に祀られている大鳥三社の前に狛犬が一対。
享保12(1727)丁未9月吉日建立。
跨ぐりが彫り抜かれていない、はじめちゃんの風体。
表情も江戸初期頃の作品によく見かけるワイルド感ある様相。
吽形のあたまにあるのは角でしょうが、
なんとなく丁髷にも見えたりします。
今回の東京取材の最後に訪れた神社で、
いい子に出会えました。
惜しむらくは訪問時間が夕暮れ時で境内が暗く、
画像がピンボケになってしまったことでしょうか。
やはり取材は日の高いうちに済ませるものですね。
新宿十二社熊野神社HP
(撮影日:2014年4月8日)
より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示
新宿駅西口の高層ビル群を西へと抜けると新宿中央公園の緑地があり、
その一角に熊野神社が鎮座しています。
同社は都庁を含む西新宿一帯と歌舞伎町の一部分を氏子地域としており、
まさに新宿を代表する神社といっても差し支えないでしょう。
創建の由緒は、応永年間(1394~1428)に中野長者と呼ばれた鈴木九郎が、
故郷の熊野三山より十二所権現をうつし祠ったところにあると伝えられます。
夕暮れ時に訪問した神社境内は、都心に在りながらとても静かで
外国人観光客と思しき数名が境内のあちこちで写真を撮ったりしていました。
そういえば、今回の東京取材では神社に立ち寄る外国人の姿を何度も見かけました。
ガイドブックで紹介される明治神宮などでは外国人の姿もごく当たり前の風景でしょうが、
日本人でも地元の氏子さんでなければあまり立ち寄ることもないような神社でも
けっこう外国人さんたちを見かけたのですよね。
さすがマルチナショナルな大都市東京といったところでしょうか。
立派な神輿が並んだ神輿蔵。
神楽殿と拝殿。
拝殿前に狛犬一対。
文化元(1804)甲子年9月吉祥日。
阿吽共に角があるのですが、阿形のほうは後付けのような?
素材も違う感じがするし、例えば宝珠かなにか付いていたものが取れてしまい、
代わりのものを取ってつけたのかなという印象ですが、果てさて真相やいかに?
**************
(追記:2015.03.10)
阿形共に角、と記載しましたが、阿形は宝珠だろうという指摘がありました。
たしかによく見れば宝珠のデザインですね。型崩れというか欠落している印象ですが。
ということで、阿形は宝珠、吽形は角ということで訂正させて頂きます。
**************
拝殿前の灯篭にも狛犬がいました。
飛び狛と構え狛。
拝殿の脇には池があり、
その奥にはお稲荷さん。
そしてそのお稲荷さんの隣に祀られている大鳥三社の前に狛犬が一対。
享保12(1727)丁未9月吉日建立。
跨ぐりが彫り抜かれていない、はじめちゃんの風体。
表情も江戸初期頃の作品によく見かけるワイルド感ある様相。
吽形のあたまにあるのは角でしょうが、
なんとなく丁髷にも見えたりします。
今回の東京取材の最後に訪れた神社で、
いい子に出会えました。
惜しむらくは訪問時間が夕暮れ時で境内が暗く、
画像がピンボケになってしまったことでしょうか。
やはり取材は日の高いうちに済ませるものですね。
新宿十二社熊野神社HP
(撮影日:2014年4月8日)
より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示
内藤新宿の鎮守様 [狛犬・寺社(東京都)]
東京都新宿区新宿の花園神社。
近世、甲州街道の江戸から数えて最初の宿場として整備された内藤新宿。
幕府によって宿場が廃止されたり復活したりと、紆余曲折の歴史を持つ町は、
いまや世界に冠たる巨大な街へと変貌と遂げたわけですが。
その新宿の原点ともいえる内藤新宿の鎮守神として祀られ続けたのが
ここ花園神社ということです。
創建は不明ですが、神社の由緒に拠れば1590年より以前に
徳川氏により大和の吉野山より勧請されてきたとあります。
初期の頃は現在地より南の方にあり、寛政年代に現在地へ遷座したとのこと。
主祭神は倉稲魂命。つまり花園神社はお稲荷さんなのですね。
表参道は明治通りに面しており、稲荷らしく朱塗りの鳥居が出迎えてくれます。
その鳥居の傍らに一対の狛犬。
昭和11年5月吉日建立。
江戸狛犬ですが、表情は愛嬌がありますね。
阿形が子取り、吽形が玉取り。
頭を押さえつけられた子獅子の様子が可愛いです。
参道途中の威徳稲荷神社。
朱塗り鳥居が連続して立ち並ぶ様子がいかにもお稲荷さん。
拝殿。
本殿。
宝物殿。
神楽殿。
裏参道の石段を登りきったところに古い狛犬が一対居ました。
延享2(1745)乙丑正月吉日造建。
本体、台座ともに一部欠損の見られるのが残念ですが、
それでも江戸中期のものとしてしっかり残っているのは嬉しいことです。
表情もオリジナルな、どことなく獅子という厳めしさはないですが、
はじめちゃんの名残を残している感じがいいのではないでしょうか。
吽形の出っ歯になった口元がいいですね。
拝殿の斜め向かいに立つ、納め大明神。
古くなった神札及び神符を納めるところ。
そして花園神社をある意味において有名にしているのがこちら。
芸能浅間神社。
境内摂社ですが、芸能人のお参りが非常に多いようで、
玉垣にはたくさんの芸能関係の人名が掲げられていました。
本殿は富士塚の上に祀られています。
境内入口はほかにもあって、靖国通りに面した参道も在りました。
ビルの谷間の参道というのがいかにも東京新宿の神社といった感じですが、
この参道入口に新宿区指定の有形文化財になっている狛犬が居ます。
文政4(1821)辛巳年2月建立。
鋳工:村田整珉。
ブロンズ製の立派な獅子狛犬で、傍らに説明版がありました。
台座に注連縄のデザインが施されているのがユニークですね。
金網が邪魔でしかたないのですが、
場所柄もあって保安上やむを得ない処置ですかね。
桜も散りかけでしたが、キレイな花と社殿の様子を
大勢の人がカメラに納めていました。
花園神社HP
(撮影日:2014年4月8日)
より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示
近世、甲州街道の江戸から数えて最初の宿場として整備された内藤新宿。
幕府によって宿場が廃止されたり復活したりと、紆余曲折の歴史を持つ町は、
いまや世界に冠たる巨大な街へと変貌と遂げたわけですが。
その新宿の原点ともいえる内藤新宿の鎮守神として祀られ続けたのが
ここ花園神社ということです。
創建は不明ですが、神社の由緒に拠れば1590年より以前に
徳川氏により大和の吉野山より勧請されてきたとあります。
初期の頃は現在地より南の方にあり、寛政年代に現在地へ遷座したとのこと。
主祭神は倉稲魂命。つまり花園神社はお稲荷さんなのですね。
表参道は明治通りに面しており、稲荷らしく朱塗りの鳥居が出迎えてくれます。
その鳥居の傍らに一対の狛犬。
昭和11年5月吉日建立。
江戸狛犬ですが、表情は愛嬌がありますね。
阿形が子取り、吽形が玉取り。
頭を押さえつけられた子獅子の様子が可愛いです。
参道途中の威徳稲荷神社。
朱塗り鳥居が連続して立ち並ぶ様子がいかにもお稲荷さん。
拝殿。
本殿。
宝物殿。
神楽殿。
裏参道の石段を登りきったところに古い狛犬が一対居ました。
延享2(1745)乙丑正月吉日造建。
本体、台座ともに一部欠損の見られるのが残念ですが、
それでも江戸中期のものとしてしっかり残っているのは嬉しいことです。
表情もオリジナルな、どことなく獅子という厳めしさはないですが、
はじめちゃんの名残を残している感じがいいのではないでしょうか。
吽形の出っ歯になった口元がいいですね。
拝殿の斜め向かいに立つ、納め大明神。
古くなった神札及び神符を納めるところ。
そして花園神社をある意味において有名にしているのがこちら。
芸能浅間神社。
境内摂社ですが、芸能人のお参りが非常に多いようで、
玉垣にはたくさんの芸能関係の人名が掲げられていました。
本殿は富士塚の上に祀られています。
境内入口はほかにもあって、靖国通りに面した参道も在りました。
ビルの谷間の参道というのがいかにも東京新宿の神社といった感じですが、
この参道入口に新宿区指定の有形文化財になっている狛犬が居ます。
文政4(1821)辛巳年2月建立。
鋳工:村田整珉。
ブロンズ製の立派な獅子狛犬で、傍らに説明版がありました。
台座に注連縄のデザインが施されているのがユニークですね。
金網が邪魔でしかたないのですが、
場所柄もあって保安上やむを得ない処置ですかね。
桜も散りかけでしたが、キレイな花と社殿の様子を
大勢の人がカメラに納めていました。
花園神社HP
(撮影日:2014年4月8日)
より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示