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映画「神様のカルテ」に出演(?)した狛犬 [狛犬・寺社(安曇野市)]

長野県安曇野市三郷明盛、三柱神社。
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安曇野市誕生前、三郷村だった頃の村役場だった建物の北西裏手に鎮座しています。
同社のある二木地区と、隣接地区の一日市場の産土神で、
例祭で挽き回される祭りの屋台は市の有形文化財となっています。

また三柱神社といえば、近年は映画「神様のカルテ」撮影ロケ地として名が挙がり、
松本市内の他のロケ地と合わせてロケ地巡りで訪れる人も居る様子です。
原作では前々エントリー記事にアップした深志神社が舞台になっているのですが、
映画では大人の事情で深志神社ではなく、安曇野市の同社が採用された訳でして。
(実際のところ、深志神社は朱塗りの社殿など印象が明るすぎて
映画のシーンのイメージにそぐわないといったところが真実らしいです。)

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立て札まで用意されていました。
書かれている日付は一作目のもの。
その後平成25年2月16日にも二作目の撮影に入っていて、
氷点下15度近くに下がった早朝から夕方までめいっぱい、
凍える寒さの中で撮影されましたとさ。

さて、境内。
鳥居をくぐると石灯籠が立ち並ぶ参道がいい感じで続きます。
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小さな石橋を渡ってすぐ、狛犬が一対。
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明治27(1894)年9月19日建立。
石工:松本町 久保田魚太郎。
(“魚”かどうかは少々判読難しく自信ないです)

猫足風の足座(?)に直接座る蹲踞型の子達ですが、
ベースは定型石ではなく乱組みした台座となっています。

画像では分かりませんが、足座部分は下部の4点支持部分がフラットに安定しておらず、
力を掛けるとカタコトと動いてしまいます。
少し大きな地震がくるとちょっと怖いですね。
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デザインは恐竜顔の凛々しい表情です。
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阿形は牡丹の花を前脚で押さえる珍しいスタイル。

安曇野は江戸期の作品が数少なく、明治中期までのものは
比較的古い制作年に分類されます。
これといって奇抜なデザインではないですが、
台座の作りや足座の様子、牡丹の花など、
見どころはけっこうあっていい作品だと思いました。
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静かでのんびりした空気感のある境内の様子。

社務所。
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拝殿。
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本殿。
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この子達は拝殿の屋根の上で逆さ踊りをしている狛犬。
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老木で下部だけ残った樹齢700年相当のハリギリの幹。
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源義光と豊原時秋像。
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この二人の所縁の説明は面倒なので、興味ある方は検索してみて下さいw

そして摂社の八王子社。
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役場の建物近くにありながらも、田舎のこととて、とても静かな環境の神社。
神様のカルテの世界観にマッチする境内の雰囲気はいつでも堪能できます。
狛犬もスクリーンの片隅に映り込んでいるので、神社のシーンでは探してみて下さい。
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(撮影日:2014年5月10日)











(撮影日:2014年5月10日)

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松本市、四柱神社 [狛犬・寺社(松本市)]

長野県松本市大手、四柱神社。
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松本市街地のまん真ん中、松本駅から松本城へと向かう道すがらにあり、
境内正面には女鳥羽川が流れ、昔懐かしい風情の縄手通りが整備されていて、
地元住民だけでなく観光客の参拝も多い様子の神社です。
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ご祭神。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高皇産霊神(たかみむすびのかみ)
神皇産霊神(かみむすびのかみ)
天照大神(あまてらすおおみかみ)

神話の世界の造化三神+神宮の神様をお祀りしている同社は
明治に入ってから創建された新しい神社だそうです。

神社庁HPによれば
『明治天皇御親政に当り、惟神の大道を中外に宣布し給う思召しを以て、
筑摩県庁の所在地である松本に、明治7年2月神道中教院
(宮村町長松院跡、後神道事務分局)が設立され、
院内に天之御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神・天照大神の
四柱の大神が奉斎されてきたが、明治12年10月、新たに一社を興し、四柱神社として、
現在地に厳かに鎮斎され、隣接して神道事務分局も新築せられたのである。』
とあります。

女鳥羽川側の正面には御幸橋。
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明治天皇行幸の折、行幸当日朝に完成したばかりのこの橋を両陛下が渡り、
その後、御幸橋と命名されたのだそうです。

拝殿。
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社務所。
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狛犬はまず拝殿前に一対。
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大正13年4月建立。
石工:田近勝之、田近正一。

おなじみ、田近石材制作の松本型狛犬です、、、が。
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立派な狛犬なのにこの由緒書き看板の配置。

同社に限らず、こういうパターンってけっこう全国各地で見かけます。
いかに狛犬という存在が“空気”になってしまっているかの証拠ですね。
境内広いんですから、もうちょっと位置ずらしてもいいんじゃないですか?
と、狛犬ファンとしてはひと言物申したい(^^;
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もう一対、参道狛犬は境内社の招魂殿前に鎮座。
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護国神社とはべつに旧松本市内の殉難者の霊を祀っています。

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狛犬は小ぶりな岡崎現代型のデザイン。
建立年は不明、というか、昭和32年10月1日再建とあります。
台座が砂岩系で、花崗岩の狛犬本体と不釣合いな古い様子なので、
おそらく先代狛犬がなにかしらの事情で失われ、
この子達が再建されたものであると推測されます。
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招魂殿ということから連想して、先代はブロンズ製だったのではないでしょうか。
戦時中の金属供出でブロンズ狛犬が徴収されていった歴史は各地にありますから。
このへん、社務所で調べればなにか分かるかもしれませんでしたが、
当日は時間がなかったので、また機会を改めて取材できればと思います。

あと、同社には社殿内、本殿前に神殿狛犬が一対いるのですが、
拝殿の外からでは遠く室内が暗すぎて、手持ちカメラでの撮影は不可能でした。
神社の方に伺うと、年代は新しくて昭和9年の作品とのことでした。
これもいつか改めて取材できればいいなと思います。

周囲をマンションなど高層の建物に囲まれた神社ですが、
東京などの都会で見かける神社と似た空気を感じて、
ある意味信州の神社らしくない新鮮な感覚を覚える神社です。
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(撮影日:2014年5月27日)


より大きな地図で 狛犬(長野県松本市) を表示
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