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福島正則屋敷跡に立つ火の見やぐら [火の見櫓(上高井郡)]

長野県上高井郡高山村、堀ノ内地区の火の見やぐら。
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須坂市街から高山村山田温泉方面へと通じる県道54号沿い、
城跡でもあったかと思ってしまうような石垣が突如現れ、
その上にズンと火の見やぐらが聳え立っています。
まるで砦の望楼のようですかね。

じつはここは福島正則屋敷跡。
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言わずと知れた戦国末期の武将であり、
江戸初期には安芸備後50万石の大大名だった福島正則は
あれやこれやで将軍の逆鱗に触れ、現在の高山村を含む高井野藩に転封。
その正則の居館があったのがこの火の見やぐらの立つ場所とのこと。
現在は長野県史跡に指定されていて、敷地は高井寺というお寺になっていました。
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で、火の見やぐらですが、
屋敷跡との所縁などはもちろんないと思いますが、
警鐘楼の設置場所としては頃合いの土地ではあったのでしょうね。

踊り場は1段のみ。
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銘板がしっかり残っています。
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高井村消防団
堀千分団
施工 昭和31年9月
増屋金物店 須坂市南横町 電64
田幸鉄工所 須坂市宗石町 電549

探訪「火の見やぐら」』さんにあった情報によると
堀千というのは隣接する堀ノ内と千本松の両地区の総称のようです。
増屋金物店というのはいまも健在の会社のようで、
田幸鉄工所とは後年合併したとのことだそうです。

トップのデザインは8角形屋根に丸型見張り台。
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やはりこの組み合わせが多いです。

そしてこのやぐらもブレースが上下で異なるスタイルを採用していますね。
上半分が山形鋼、下半分がリング式ターンバックル。
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前々エントリーの長野市若穂綿内町の火の見やぐらと同じです。
綿内のやぐらはその切り換わり部分で柱脚の継ぎ手があったので
その影響でもあるのかと思ったりもしましたが、
この堀ノ内の場合はそうした継ぎ手もないので、
継ぎ手切り換わり説は眉唾情報ということになってしまいました(汗)

綿内のやぐらも田幸鉄工所制作ということであれば
同じ鉄工所のスタンダードモデルということになるのですが、
綿内のほうは鉄工所名は不明なので、なんともいえないですね。

こういうブレースの形状が途中で変わるというのは珍しいと思うのですが、
ここ須高地域ではわりと普通に立っているのでしょうか。
果てさて、このあと紹介する火の見やぐらは・・・?
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ところで同じ高山村の水中地区の火の見やぐらを取材した帰りがけ、
見下ろすとちょうどこの堀ノ内の火の見やぐらが目に飛び込んできました。
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肉眼だと実際はけっこう遠くて建物の合間に見える感じなのですが、
火の見ヤグラーの悲しい性でしょうか。
探しているわけでもないのに自然と目と脳が認識してしまうようです(^^;

(取材日:2012年4月30日)
(遠望画像:2015年5月4日)



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