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火の見櫓(京都府) ブログトップ

古都の裏路地にひっそり佇む火の見櫓 [火の見櫓(京都府)]

4月上旬の京都取材ツアー。
エントリーし続けている報告記事はようやく半ばといったところ。
で、このあたりで閑話休題的なネタを。

京都の古い市街地エリアは裏路地がとにかく多い。
・・・というのは今更取り上げるまでもない、ある意味一般常識的なところがありますが、
情報によれば、なかでも祇園界隈は先斗町などと並んで裏路地の多いエリアだそうで。

昼間はひっそりとしている祇園の裏路地も
夜には飲み屋さんのネオンが光る歓楽街となるところが多く、
また昼間でも観光客相手に名産品を販売する店が入っていたりと、
けっこう多種多様、個性的な表情を路地ごとに見せたりもしています。

そんななか、ある目的を持って自分が向かったのは
祇園の街の一角に存在する、とある裏路地。
2013.04.06.rakuenkouji1.JPG
四条通から一本北側の通りの様子は、いかにも夜の歓楽街といったふう。

そして入口。
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都会の中の洞窟って感が無きにしも非ず。
2013.04.06.rakuenkouji3.JPG
ビル一階にあたる細長く、薄暗い通路を通り抜けると
これまたいかにもという感じの小規模な飲み屋さんが左右にずらり。
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突き当たりは引き違い戸があってお店の出入口のよう。
2013.04.06.rakuenkouji5.JPG
“袋小路か?”と思われたところ・・・
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いや、まだ先がありました。

いまくぐり抜けた戸のあたりを振り返るとこんなシチュエーション。
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そしてこの小路の行き着いた先・・・。
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“町屋風”の建物に囲われた、こじんまりした中庭が現れました。
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「ぎおん楽宴小路」というそうです。

古くからの町屋の中庭を改装して回遊性のあるミニ公園にしてみました・・・
・・・みたいな様子ではありますが、実際こうなる以前がどうだったのか。
平成6年にオープンしたスペースらしいですが、それ以上のことは詳しく知りません。
2013.04.06.rakuenkouji10.JPG
いまはこの広場を囲うようにおしゃれな飲食店など店舗が展開しているようです。

で、火の見櫓&狛犬ツアーをしているなかでこの路地にやって来た理由は・・・
2013.04.06.rakuenkouji11.JPG
そう、火の見櫓www。

閑話休題どころか、けっきょくそれかいっ!
というツッコミはなしに願います(^^;;

見た感じは古くからある木造の火の見櫓っぽいですが、これは鉄骨造。
2013.04.06.rakuenkouji18.JPG
柱のひとつに電柱に付いているような昇降用の足掛けがありますね。

ネットで検索した情報によれば、江戸時代、この近くに藩邸のあった膳所藩が
享保7年(1722)に御所の火の番に加えて洛中火消しを兼務することになり、
藩邸に火の見櫓を建てて役目を務めたということで、
この楽宴小路の木造風鉄骨櫓はそのイメージを元に復元したものだとのこと。

足元は休憩スペースとしてベンチも付属していて、
櫓全体は看板的な感じで使われてるような印象。
2013.04.06.rakuenkouji13.JPG
実際、看板らしきものはなんにも付いていませんでしたが。

半鐘はしっかりしたものがついています。
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紐が鐘のなかへつながっていて、“舌”らしきものが見られるので、
ちゃんと鳴らしているのでしょうかね。
詳しい情報、求む。。。

広場には他の路地からも出入り可能で、
そのうちのひとつから外に出てみると、、、
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入ってきたところとはまた違った感じの通りに出ました。
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近所にあるコンビニのローソン。
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町にはその町に相応しいデザインコードとカラーコードがあります。
平成時代の裏路地の広場も、表通りのコンビニも、
あれこれと調和のための工夫がなされているようです。

(撮影日:2013年4月6日)


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小学校の入口に立つ火の見櫓 [火の見櫓(京都府)]

京都市立朱雀第6小学校の火の見櫓。
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といっても、すでに半鐘は取り払われており、
ホース干し塔の用途のみに使用されているような。

屋根無しですが、近辺には同類型の櫓が立つので
京都エリアのスタンダードといっていいのかもしれません。
2013.04.07.suzaku3.JPG
小学校の敷地内に立っているわけですが、
前エントリーの有済小学校の望楼の例も考えると
こうした学校内の櫓自体も決して珍しいものではないのでしょう。
2013.04.07.suzaku2.JPG
櫓として珍しく思えたのは
櫓の各段に火打ちのような斜材を設けている点。
まあここだけの特例ではないですが、あまり見かけないタイプです。
2013.04.07.suzaku4.JPG
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梯子材も太めの丸鋼で意外と目に付きます。

屋根はともかく、やっぱり半鐘があればなぁ~、という感想でした。
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(撮影日:2013年4月7日)


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旧有済小学校の太鼓望楼 [火の見櫓(京都府)]

またしてもしばし間が開いちゃいましたが、
まだまだ続く京都取材ツアーの記事エントリー・・・。

旧京都市立有済小学校。
2013.04.06.yuusai2.JPG
平成16年春に他校との合併のため廃校となってしまった小学校ですが、
今なお残る校舎の屋上に、明治期につくられた望楼が現存しています。
2013.04.06.yuusai1.JPG
火の見櫓も兼ねていたのかどうか、
半鐘ではなく太鼓が用意され、周辺住民に時を知らせたり、
有事の際には太鼓を打ち鳴らして知らせる役目を持っていたそうです。

有済小学校は明治4年の創立。
そしてこの太鼓望楼は明治9年(1876)に、
当時木造2階建てであった講堂の棟中央に据えられました。
2013.04.06.yuusai9.jpg
その後、昭和12年(1937)にRC造の校舎に建て直される際、
地域の熱心な保存活動などもあったらしく、
新校舎の屋上にそのままのかたちで残されることになったそうです。
2013.04.06.yuusai4.JPG
2013.04.06.yuusai3.JPG
かつては京都だけでなく全国各地に見られたという小学校の望楼ですが、
明治期の木造望楼として唯一(?)残る貴重な文化遺産として、
現在では国登録有形文化財となっています。
2013.04.06.yuusai5.JPG2013.04.06.yuusai6.JPG
RC校舎との微妙なアンバランスさも確かに感じますが、
この建物自体も昭和12年建築のものということなので、
小学校の校舎としてはけっこう貴重な建物といえるかもしれませんね。
夜間はライトアップしているらしいのですが、
時間と天候の都合で夜の様子は残念ながら撮影できませんでした。

ここを取材している頃から雨脚(というより風)が強くなってきて、
落ち着いて鑑賞できなかったのが心残りです。
2013.04.06.yuusai8.JPG
2013.04.06.yuusai7.JPG

(撮影日:2013年4月6日)


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都市型省スペース設計の火の見櫓? [火の見櫓(京都府)]

京都市下京区、安寧消防分団の火の見櫓。
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櫓・・・というより、壁面に付属したオブジェのよう。
2013.04.06.annei4.JPG
木造で、屋根はついているけれども梯子は中途まで。
イルミネーションの照明が取り付けられているところから察するに
夜はチカチカ明るく彩られているのでしょうか。
2013.04.06.annei5.JPG
消防団のHPによると「ミニ火の見やぐら」と記されています。
ほかに電光掲示板や防火バケツが用意されていたり、
2013.04.06.annei8.JPG
歳末には防火サンタが登場して子供たちに火遊び防火を啓蒙したり、
消防団苦戦のご時世にあって、地域活動に貢献しているようすです。

世界遺産の西本願寺にも程近く、木造家屋も多数残るエリアで、
地域防災の最前線として京都の分団は重要な役割を担っていることでしょう。
(下の画像、背景は本願寺ではなく興正寺の御影堂。)
2013.04.06.annei2.JPG
“ミニ火の見やぐら”は半鐘に木槌もついていますし、
オブジェではなくいまでもしっかり使われているのではと期待します。
(実際の現状をどなたか教えてくださいませ。)
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京都市消防局:安寧分団

分団前から見えた、京都で最大の火の見櫓 京都タワー。
2013.04.06.annei7.JPG

(撮影日:2013年4月6日)


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火の見櫓ではないのか? [火の見櫓(京都府)]

京都市伏見区、竹田中内畑町の火の見櫓。
2013.04.06.anrakujuin1.JPG
近鉄&地下鉄竹田駅より徒歩数分、前エントリー記事の
登録文化財の火の見櫓へ向かう途中、少し横道にそれた所、
安楽寿院の参道脇に立っています。
が・・・
2013.04.06.anrakujuin2.JPG
半鐘がなく、もとは吊られていたと思われる
フックやアンカーのようなものも見当たりません。
フックごと外したか、あるいは。。。

小規模な3脚柱ですが、それゆえにここに至る経緯が気になります。

「最近、移してきたから・・・」
というのは、すぐ近所に暮らすおばちゃんの言。
あまり多くを語りたがらない(?)様子だったので
それ以上のことを詮索できず、ますます謎は深まるばかり。
まあ朝6時前にいきなり見ず知らずの者に「この櫓は・・・」
なんて声かけられたら、だれだって訝しく思いますか。
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時間がなくてゆっくり観察調査することもできずじまい。
頂部の様子から察するに、防災などのサイレン塔と考えるのが
自然ではないかと思うのですが、どうでしょうかね?

(撮影日:2013年4月6日)


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登録有形文化財の火の見櫓 [火の見櫓(京都府)]

京都市伏見区、竹田狩賀町の火の見櫓。
2013.04.06.takeda12.JPG
ヤグラー業界(?)では有名な、国登録有形文化財の火の見櫓です。

以前から見てみたかった櫓のひとつでしたが、
先日、京都取材旅行を観光・・・もとい、敢行しまして、
念願かなって直接目にすることが出来ました。

近鉄&京都市営地下鉄竹田駅から南へ下って徒歩10分ほど。
日程の都合で早朝6時前の取材、且つ今にも降り出しそうな曇天下、
かなり暗い画像になってしまったので、画質補正で明るくしています。
2013.04.06.takeda1.JPG
隣接の商店がいい雰囲気でしたが、当然ながらまだ営業前。
2013.04.06.takeda2.JPG
さらに松尾神社がお隣さんで、狛犬とツーショットが実現(^^)。
2013.04.06.takeda3.JPG
立っている場所は公園の一角で、文化財ということからか、
櫓は柵で囲われているので直接手に触れることができませんでした。

登録有形文化財のプレートと解説板。
2013.04.06.takeda4.JPG2013.04.06.takeda5.JPG
解説板によれば、
大正12年(1923)8月に設立された竹田村消防組第二支部の装備品として建設。
鉄骨造としては初期の形態を残しており、構造部材も当時の国内の製鉄技術を
知るうえで貴重な文化財的建造物であることから、地域住民からの保存要望を受け、
移転保存した。。。とあります。

構造形式 鉄骨造
台形平面 1.395m×1.340m。
高さ 11.925m。

構成部材
柱 山形鋼(L-75×75×8mm)
横つなぎ材 山形鋼(L-50×50×6mm)
斜め材 山形鋼(L-40×40×5mm)
部材接合 普通ボルト及びリベット
やぐら屋根 木造
塗装 コールタール塗り

以上のような内容も解説板に記載あり。
かなり暗く写ってしまっているのは、
外装がコールタール塗りで仕上られているのも一因かと。
2013.04.06.takeda9.JPG
シルバー以外の塗装もたまに見かけますが、
真っ黒というのは比較的珍しいほうですね。

屋根が木造とのことですが、暗くて下から見上げた限りでは
詳細の確認が出来ませんでした。
2013.04.06.takeda7.JPG
半鐘は少し褪せてきていますが、しっかり付属しています。
消防団倉庫が道路向かいにありますが、今でも鳴らしているのかな?
2013.04.06.takeda8.JPG
2013.04.06.takeda6.JPG
このやぐらは4脚タワーですが、
そのうちの2本が梯子の桁を兼ねており、
そのため台形の平面になっています。
2013.04.06.takeda11.JPG
立ち姿も側面から見ると、後背の2本は地面に垂直立ちしていて、
梯子の付属する前面2本は斜めに立っているのが分かります。
2013.04.06.takeda10.JPG
これも面白い構成ですね。

周囲に背の高いマンションなどが立っているので
火の見の実用性は失われて完全に野外博物館状態でありますが、
それでも地域の歴史の一ページがしっかりと生き続けているのは
素敵なことだと思います。

(撮影日:2013年4月6日)


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