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啄木も気に入った(?)盛岡天満宮の狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

盛岡市新庄町、盛岡天満宮。
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盛岡市街地にあって東よりの小高い丘の上に鎮座しています。
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ここは明治の歌人、詩人として名高い、石川啄木所縁の神社として有名で、
彼が20歳の時に執筆した小説「葬列」のなかに登場する狛犬が存在します。
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啄木は現在の盛岡市玉山区日戸において寺の住職の子として生まれ、
盛岡で長年生活を続けており、その間にしばしばこの天満宮を訪れていたらしく、
当時は「天神山」と呼ばれ、散策と読書の場所として好んでいたようです。

小説「葬列」のなかにある一節↓。

「……自分は圖らずも懷かしい舊知己の立つて居るのに氣付いた。
舊知己とは、社前に相對してぬかづいて居る一双の石の狛である。
……(中略)……よく見ると實に親しむべき愛嬌のある顏だ。
全く世事を超越した高士の俤、イヤ、それよりも一段もつと俗に離れた、
俺は生れてから未だ世の中といふものが西にあるか東にあるか知らないのだ、
と云つた樣な顏だ。……」

というわけで、件の狛犬はどうやらこの子達のようでありまして。
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明治36年6月建立。
近くに住む高畑源次郎が自身の病気平癒願いの叶えられた事を感謝し、
前年の管公一千年祭を記念して奉納したものだそうです。

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中小型規模ではじめちゃんタイプの珍しいデザインは
この取材の中、三陸から遠野にかけてずいぶんと出会いがありましたが、
それらに比べてもオリジナル性溢れた作品であることが理解できます。
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情報に拠れば高畑源次郎氏は石屋だったそうですが、
全体にはお世辞にも凝ったようには見えない淡白な彫りなので
もしかすると狛犬制作はこれが初めてだったのかも、
とも勘ぐってしまうほど技術的には稚拙なものです。
しかし一見して素人っぽさが感じられなくもないなかで
デザインバランスは不思議と整っていて阿吽とも独特の表情で愛嬌があり、
それが意図的に狙ったデザインであるならば、
高畑源次郎恐るべしといったところでしょうか。

これも遠野のカッパ狛犬と同様、一般の観光ガイドブックにも掲載されており、
お土産品として地元の南部鉄器によってミニチュア狛犬が制作販売されています。
そんな意味でも珍しい一対であると言えますね。

ちなみに狛犬たちは啄木の歌を刻んだ石碑の上に乗せられています。
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阿形「夏木立中の社の石馬も/汗する日なり/君をゆめみむ」
吽形「松の風夜書ひびきぬ/人訪はぬ山の祠の/石馬の耳に」

ここに出てくる石馬とはすなわち狛犬のことです。
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神社境内にはお稲荷さんがあり、狐も独特の表情。
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猛禽類のくちばしのような口元がなんともいえないです。

今回は訪問時間が夕暮れ時で写真撮影もフラッシュ無しで撮影可能な
ギリギリの時間でのバタバタした取材になりました。
もし再訪の機会があれば今度はゆったりとした気持ちで
狛犬たちと向き合いたいと思います。
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お土産品の鉄器狛犬も買えなかったし。。。

(撮影日:2013年8月13日)


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一般のガイドブックにも載るカッパ狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市土淵町土淵、常堅寺。
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曹洞宗の寺で山号は蓮峰山。
室町時代の延徳2(1490)年に創建されたとのことですが、
ここがカッパで有名な遠野の中心地的存在ともいえる(?)お寺。
寺に隣接してカッパ淵というカッパ伝説の水辺が在り、
さらに境内にはカッパ狛犬なるものが存在するということで。

山門をくぐると、立派な体躯の狛犬さん一対がお出迎え。
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吽形は角付き。
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石がたくさん置かれています。

そして問題の(?)カッパ狛犬ですが、
こちらは境内の一角、十王堂の正面に鎮座しています。
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そしてこの狛犬たちに関する所縁として
カッパ淵の際に由緒書きが以下のようにありまして。

「河童
 馬を川に引きこむいたずらに失敗したカッパは、
 おわびをして許され、母と子の守り神となりました。
 常堅寺の火事のさいは頭の皿から水を吹き出して消しとめ、
 いまでも一対のカッパ狛犬として境内にその姿をとどめています。」

ということだそうな。。。
伝説は伝説として、大切に語り継いでゆきたいものです。
たしかにカッパ淵の様子は、観光客で賑わっていたとはいえ、
昔話の世界でカッパが棲んでいそうな、不思議な空気感がありました。
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ただ、肝心の狛犬のデザインはというと、
とくべつにカッパを模して作られたというふうでもなく、
どこにでもいるといって差し支えない蹲踞型の尾立ち狛犬。
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頭頂部の窪みに水の溜まることがカッパ狛犬と呼ばれる所以のようで、
頭部周囲もどことなく河童の皿頭を模したように見えなくも無いのですが、
頭に窪みを持つ狛犬自体はどこにでも居るというわけではないものの、
江戸時代に制作された狛犬にはときおり見られるデザインでもあり、
我らが穂高神社の若宮社前にいる狛犬のほか、
自分も何体かこうした窪みのある狛犬を目にしています。
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一般にこの窪みを設けた理由は複数の説があって、
ここに油をおいて火をつけ灯明代わりに用いたという説や、
原材料の石の大きさの都合で小さな石から制作するため
角(または宝珠)を後付けできるようにするためという説など、
いろいろ言われているようです。
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まあ、いづれにせよこうして注目される狛犬がいること自体は
ある意味歓迎すべきことなのかもしれません。
理由はどうあれ、このカッパ狛犬との出会いをきっかけにして
各地の狛犬に関心を持つ人がひとりでも多く出てきてくれれば、
それはそれで願ったりのことでもありますし。
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さて、この常堅寺を最後に、今回の遠野市内の取材は終了。
他にも立ち寄りたい神社がたくさんあったのですが、
またいつか再訪するときまで取っておきたいと思います。
狛犬と火の見櫓以外、ゆっくりと純粋な観光をまったくせぬままでしたし。

ところで常堅寺の近所を歩いていると、
ビールの原材料になるホップの畑が目に付きました。
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自分は知らなかったのですが、岩手県はホップ生産が全国有数なんですね。
そのなかでも遠野市一円は県内一の生産量なんだとか。
時代が時代なら、ビールを片手にした「酔っ払い狛犬」なんていうのも
もしかしたら彫られたりしていたかも(^^;

(撮影日:2013年8月13日)


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遠野の沼田三次郎作の陶器狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市松崎町、元八幡宮。
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遠野市街より北へ少し走った山麓エリアの郊外にあり、
遠野遺産のひとつとなっています。
遠野郷八幡宮が現在地に遷座する前にあったのが同地らしく、
故に元八幡と呼ばれているそうです。

車で乗り付けたのですが、表参道の位置が最初分からず、
拝殿の横から境内に入ってしまいました。
時間も無かったので参道側の画像はありません。

拝殿前に陶器製狛犬が一対。
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昭和41(1966)年旧8月15日建立。
唐獅子制作者:沼田三次郎
左官工事者:菊池酉松、菊池行夫

沼田三次郎は同市内でよく見かける陶器狛犬の制作者です。
作品は際立って個性的というわけではなく、
どちらかというと堅実なものが多いようです。
それだけに飽きも無く見ごたえのある良作になっている気がします。
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この元八幡宮の狛犬たちも、落ち着いたいい出来栄えですね。
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(撮影日:2013年8月13日)


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ちっちゃくても存在感満点、遠野を代表する狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市土淵町、倭文神社。
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倭文と書いて「ひどり」と読みます。
こちらの神社も遠野遺産に指定されています。
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遠野市街から程近く、遠野郷八幡宮からも車で数分の場所ですが、
ここに今回の取材ツアーで絶対見逃せないとリストアップしていた
狛犬の一対がいます。

神社については、現地の由緒書きによると、
地域の主(←ローカルな歴史の人)が文殊菩薩をその守護として勧請。
明治の神仏分離令により倭文神社と改められて村社となり、
一般には文殊と呼ばれ、知恵の向上を祈り、学童の清書を奉納し、
健康を願い筆蹟の上達を祈願する、、、
というような意味のことが書かれていましたが、
地方の歴史を知らないので詳細は割愛。
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街道の入口から小高い丘に登ると、こじんまりとひらけた境内に出ます。
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そして正面の石段を登りきったところにいるのが、
念願叶って出会うことの出来た狛犬です。
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建立年は不明。
六角石神社で見たものよりさらに小ぶり。

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やはり獅子という印象は薄くて、
また人面というよりどちらかというと猿に近い感じがします。

見た目にいかにもはじめちゃんタイプ。
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はじめちゃんは腹部や両前足の間が彫り抜かれていないことも多く、
この子たちもまさにそうなんですが、
だからといって単純に年代が古いと断言できないのが岩手県の狛犬たち。
ここまで見てきた(とくに三陸沿岸の)狛犬たちの中にも
一見古そうに見えて実は、、、というのもありましたので要注意。

とはいえ、この子については遠野エリアで制作年の分かっているものと比較して、
少なくとも近代に作られたものではないと思われます。
六角石神社の系譜にのっかりそうなデザインパターンの印象ですが、
どちらが古いかといわれれば、こちら倭文神社のほうが古いように思えます。

で、六角石神社の狛犬は宝永7(1710)と嘉永7(1854)のいづれかと推測できますが、
その六角石のほうを支持の多い宝永7年説として考えるとすると、
こちら倭文神社のほうは制作年が17世紀に入る可能性も出てきます。
これは石造の参道狛犬のなかではかなり古い年代に入ります。
もちろん、それが事実であってもなんら不思議ではないのが
この子達の姿かたちかなと思いますが。

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拝殿で参拝し、振り返って後姿を鑑賞しつつ、
石段を下りて帰ろうとしましたが、なんとなく後ろ髪引かれる思いがして、
立ち去りがたいものを感じてしまいました。
安曇野以外の狛犬との出会いでこんな思いを抱いたのは過去に二度。
これで三度目になりました。

狛犬研究家&愛好家のなかにも、この子達に
「呼ばれた」とか「誘われた」かのようにこの神社に足を踏み入れ、
この子達と衝撃(?)の対面を果たしている人も何人もいるようで。

ちっちゃくておとなしそうな子たちでしたが、
それほどまでに強い印象を受ける狛犬でした。

(撮影日:2013年8月13日)


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遠野のお寺に居る狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市松崎町駒木、福泉寺。
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遠野市街から北向きに車を走らせた郊外に建つお寺。
ここにも陶器製狛犬がいるというので、車を走らせてみました。
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台座も高いものが使われていて、堂々とした立派なものでした。
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で、狛犬の調査だけに立ち寄ったので、
お寺の詳細はよく分かりません。

福泉寺(遠野市観光協会HP)

(撮影日:2013年8月13日)


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遠野郷八幡宮 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市松崎町白岩、遠野郷八幡宮。
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遠野市一円ではもっとも大きい神社といえるでしょう。

ご祭神は、八幡宮ですから
誉田別尊
ほか、
大国主神
事代主神
少名彦神
御年神

同社HPによれば、創建は定かではないですが、
文治5年(1189)に平泉の藤原氏追討に従軍して功があり、
源頼朝から遠野郷を賜った阿曽沼広綱が宇夫方広房を代官として送り、
松崎村駒木に「舘」を築いて氏神であった八幡神をまつって遠野郷を統治。
その後、阿曽沼親綱が横田城を築き、城の鬼門である東北の方角に
八幡宮を勧請して崇敬したのが始まりとされています。
(以下、割愛)

境内正面の駐車場に見られるのは二の鳥居。
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長い参道を歩いて三の鳥居をくぐり抜けると、左右に広大な馬場へと出ます。
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直線でなんと220メートル。
今年も9月15日に遠野南部流鏑馬が開催されたようですが、
いつか生で鑑賞したいものです。

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さらに続く参道を歩くと、朱塗りの立派な拝殿前に出ますが、
その前に狛犬が二対。
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手前に石造の岡崎現代型。
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平成4(1992)年9月吉日建立。

そして石段の前には陶器製の狛犬一対。
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昭和4(1929)年9月15日建立。
平野瓦工場。
狛犬作者:沼田三次郎。
左官工:山陰清次郎。

作者の沼田三次郎という人は現在も遠野市内で営まれている
沼田製瓦工場という会社の創業者のようで、
そちらのHP内のブログに三次郎氏の詳細が記されています。
沼田製瓦工場HPブログ
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遠野オリジナルの陶器狛犬。
整った凛々しい姿をしています。

拝殿向拝の色鮮やかな狛犬。
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本殿と境内社。
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摂社の稲荷社には小さな狛犬がいます。
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広島みたいな玉乗り狛犬。
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神殿の小型の玉乗りタイプは、以前に福島県の川原田天満宮で見かけました。
今見返してみると、けっこうデザインが似ています。
単なる偶然とも思えないので、同族(?)なのかもしれませんね。

境内の一角に、鬼瓦が展示されていました。
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東日本大震災まで拝殿の屋根に使われていたもので、
金属屋根に葺き替えになったことを受けて下ろされたものだそうです。
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社紋は向鳩。
八幡宮らしいですね。

遠野郷八幡宮HP

(撮影日:2013年8月13日)


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遠野市街地の高台に建つ日枝神社 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市遠野町杉山、日枝神社。
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市街地の一角というか東端部、高台にある静かな神社です。
由緒書きによれば、地元では「大日さん」の名で親しまれているらしく、
かつては大日堂が祀られていたそうです。
明治維新後、神仏分離令を経て大日堂は廃され、
山王社を合祀して日枝神社と改称され、現在に至っています。

参道を上がると静かな境内。
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(元?)ご神木、山王の松。
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周辺環境悪化により、平成11年に伐採されたもの。

鳥居の傍らに狛犬一対。
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昭和42(1967)年旧6月1日建立。
陶器製ですが、ここ遠野では陶器製をよく見かけました。
制作する作者がいるということに他ならないわけですが、
それぞれに個性があっていいですね。
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ここ日枝神社の子達は、強いて言えば伊豆神社の狛犬と
顔立ちや全体のデザインが似ているようにも思えます。

拝殿と本殿。
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摂社の天満宮。
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その近くに狛犬が一対居ました。
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昭和6(1931)年5月建立。
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どことなく、関西の匂いが漂うデザイン。
天満宮つながりで、北野天満宮の狛犬をモデルにしたとか、、、
ってなわけではなく、この狛犬たちは消防追悼碑を守る形で鎮座しています。
なので、台座には消防章が彫られていました。
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(撮影日:2013年8月13日)


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“人面はじめ”な狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市青笹町中沢、六角石神社。
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六角石と書いて“ろっこうし”と読むそうです。
遠野市と釜石市の境に遠野冨士とも呼ばれる六角牛山(ろっこうしさん)があります。
ふたつ前のエントリー記事の伊豆神社でも触れた遠野三山のひとつで、
三山の母神にあたる伊豆神社と六角牛山を結ぶ線上に同社は位置します。
六角牛山頂にはかつて奥宮があり、大同2年(807)、その奥宮に薬師を、
山麓に不動と住吉三神を祀ったことに同社の歴史は始まります。

やがて奥宮が再三火災に見舞われたり、山麓の社が遷座したり、
様々な経緯ののちに奥宮を山麓の社に合祀、
明治になって現在の六角石神社と改称して現在に至っています。
ちなみに同社は里宮の位置付けではなく、あくまで「新山宮」だそうです。

で、境内。
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里の集落から細い山道を走っていった先、
境内入口に山中とは思えないほど広い駐車場が境内入口に見えます。

鳥居から続く長い参道。
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途中にある二の鳥居=両部鳥居は平成24年9月建立のまだ真新しいもの。
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拝殿の前には平成7年生まれの岡崎(?)が一対。
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でも、普通の岡崎とはちょっと顔つきが違うような。
まあ平成生まれなので大陸系という線もありますが。。。

本殿と拝殿、そして境内社。
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境内右手には神輿殿があり、獅子頭神輿が奉られています。
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そして、この六角石神社ではやはりこの子達が有名。
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三の鳥居のすぐ奥の石段を登りきると、
遠野を代表する狛犬のひとつが一対、静かに鎮座しています。
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○永七寅年八月十五日建立。(←右読み)

元号の頭の文字が欠落しているのが微妙。
「○永七年で寅年」となると、宝永七年(庚寅)と嘉永七年(甲寅)のふたつ。
ネット情報では宝永とする研究者の判断が多いようですが、
自分が直にこの子達に会って確認した限りでは、“庚”の文字は認められませんでした。
なので、この部分の結論は少し控えておきます。

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いづれにしても特徴的なデザインであり、貴重な存在です。
遠野をはじめ、岩手県内はこうした“はじめ”タイプの特徴的なデザインが
とても多いような気がします。
古い年代のものばかりというわけではなく、
おそらくそれが狛犬制作における地方色のひとつなのでしょう。

阿形の顔の一部に色づけされているのがちょっと余計かなという印象。
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でも、なんにしてもいい子達に出会いました。
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(撮影日:2013年8月13日)


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どこから見ても、人面狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市上郷町佐比内赤沢の熊野神社。
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遠野市郊外、佐比内の集落を過ぎて山へと突っ込む直前、
アスファルト車道が切れたところから参道が始まってます。
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長いあぜ道の参道の向こうに鎮守の杜。
というか、里山そのもの。
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最後の石段を上がりきると、両脇に小さな狛犬がいました。
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弘化4年(1847)建立。
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狛犬・・・もとを辿れば獅子から発展してきた守護獣なわけですが、
この子の場合はライオンというより、人型といったほうがいいような。
少なくとも、顔つきは獅子頭より人面というほうが適切な感じです。
それもかなり個性的な表情というかなんというか。

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坊主頭、
眉毛がボーン、
ダンゴッ鼻、
そして、出っ歯。

張りのある頬など、昔の人の顔つきそのものと思えなくもない。
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なんとも不思議な狛犬です。

(撮影日:2013年8月13日)


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遠野の陶器狛犬と岩手型お座り狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

遠野市上郷町来内権現、伊豆神社。
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ここもまた、遠野遺産に指定されている古社です。
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遠野物語にも登場する神社で、遠野三山(石上山、早池峰山、六角牛山)の
母神とも呼ばれています。

ご祭神は瀬織津比姫命です。

参道入口すぐに一対。
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陶器製の狛犬。
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前々エントリーの日出神社にも陶器製がいましたが、
表情をはじめデザインはかなり異なっています。
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日出神社とここ以外にも幾つか陶器狛犬を見ましたが、
どれも地元で制作されたものなんでしょうね。
陶器製というと備前岡山が有名で、各地にその作品が出回っていますが、
やはり備前とはデザインが異なっています。
というより、備前のそれはどこのものも兄弟か親戚といえるほど
よく似通ったデザインで作られているのですが、
遠野の陶器狛犬はそれぞれにデザインアレンジがあって統一感がなく、
オリジナル性が強いと感じられます。
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阿形の口の中、鳥の巣!?

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鳥居をくぐると参道が続きます。
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石段。
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根っこの階段。
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また石段。

そして登りきったところに、小さな一対。
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三陸沿岸の神社でも見かけた、小ぶりで独特の表情をした子達。
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建立年は不明。
はじめちゃん的なんですが、岩手の狛犬はその常識が通用しません。
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古そうに見えてじつは年代が新しいとか、、、
と思ったら、やっぱりけっこう古かったりとか、、、
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侮れないのが岩手の狛犬たち、です。

(撮影日:2013年8月13日)


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