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名工・小林和平の快作 [狛犬・寺社(福島県)]

福島県石川郡古殿町松川、古殿八幡神社。
流鏑馬神事の有名な古社です。
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康平7年(1064)、源頼義と義家父子が前九年の役において苦戦の後、
古殿まで一時撤退して京都の男山八幡に戦勝祈願したところ見事勝利。
その由縁からここに八幡神社を勧請したと伝えられています。
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その後、源頼朝より領主に対して社領地が下賜され、
それを記念して領内の武士たちによる笠懸流鏑馬神事が
執り行われるようになったそうです。
以来800年続く伝統の笠懸流鏑馬神事は、
現在では福島県の重要無形文化財指定を受けています。
(下の写真は流鏑馬神事に使われる広場。)
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・・・と、世間一般ではそうした笠懸流鏑馬の話で有名な神社ですが、
狛犬ファンにとってはそれより何より、ここの参道に鎮座します
名工・小林和平による狛犬一対のほうが気になるところでして(^^)
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数々の名作狛犬を世に送り出してきた小林和平。
その概要についてはウィキペディアに詳しいのでそちらをご参照ください。
Wikipedia「小林和平」

この神社の狛犬は制作年が昭和7年(1932)10月。
和平が51歳のときのことで、まさに円熟期の作品といえるでしょう。
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狛犬研究家のなかには小林和平作としては最高傑作であり、
かつ狛犬の最高峰であると評する人もいるほど。
個人的には他の作品のほうが“すごい”と思えるものがあるのですが、
少なくとも、小林和平独特の世界が表現されている作品ですね。
渦を巻いた尻尾のデザインなどはオリジナリティーに溢れています。
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飛翔獅子と括られることもあるこの狛犬は、
本体はもちろん子獅子や下部の雲のようなデザイン部分まで含め
すべて一体の石から彫られているのがすごいですね。

神社はここから随身門を経て境内奥へ。
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随身像の裏側、ここにも一対の狛犬がいました。
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近所の火の見櫓と狛犬のコラボ写真。
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古殿町は東北道沿線からかなり離れた山間部にあって、
往復のタイムロスが大きかったのですが、
ここの狛犬さんは絶対外せないと思っていたので、
しっかり鑑賞する事が出来、よかったです。

(撮影日:2012年8月13日)


より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示

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