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東京の石工作品と江戸期作品 [狛犬・寺社(飯田市)]

長野県飯田市今宮町、郊戸八幡宮。
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飯田市街地の西寄り、JR飯田駅の北西、
市営今宮球場に隣接して鎮座しています。

由緒書きはこちら。
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主祭神は、とうぜん誉田別尊。
そして息長帯比賣命と武内宿禰命。

球場のフェンス脇に沿って参道が続きます。
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石段もフェンスに沿って斜めに設けられていて。
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その上がりきりに随身門。
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安永9(1790)年建立。
同社の建築物ではもっとも古いものになるそうで、
昭和27(1952)年の球場建設に伴い現在地に移転したそうです。

門の傍らにある絵馬殿。
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参道を進むと次の石段上り口に狛犬一対がいます。
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大正2(1913)年5月吉日建立。
石工:東京赤坂区 辻繁太郎。
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辻繁太郎は大正から昭和初期に活躍した、
東京都内の狛犬で名前を見かける石工です。
奉献者もまた東京在住の人(山田達治の銘)のようなので、
東京で制作して同社に運び込んだと考えるのが普通です、、、が。
デザインがなんとなく松本平で見かけるタイプに似てなくもない。
もちろん、松本型も元を辿れば江戸の発展型なので
デジャヴがあっても不思議ではないんですけどね。
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この子達を過ぎて再び石段。
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その石段を登りきったところで二対目の一対。
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文化18(1818)年建立。
阿形が角、吽形が宝珠を装備(?)しています。
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前脚がスッと直立しているというか、
図体のわりに細いですね。
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全体にシンプルなデザインに見えますが、
尾はけっこう珍しいというか凝ったデザインをしています。
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建立からすでに200年近くたっている割に破損も少なく、
目立つ損傷と言えば吽形の尾にヒビが入っていることくらいでしょうか。
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拝殿。
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大国主神社。
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例によって土地の勾配を利用して社殿が高台にあるため
石段の上がりきりに狛犬が鎮座するパターンとなっているのですが、
ここ南信地方に限らず高台から村を見下ろし守るという
鎮守の神様のイメージに嵌る風景はけっこう好きです。
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(撮影日:2014年5月4日)


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阿吽で尾の異なる安政3年狛犬 [狛犬・寺社(飯田市)]

飯田市宮の前、大宮諏訪神社。
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市街地の西側、県道15号の大宮神社前交差点が参道正面になっています。

一の鳥居をくぐるとすぐ両脇に岡崎現代型。
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昭和5(1930)年建立。

二の鳥居の周辺は広い駐車場になっています。
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ご神門。
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ご神木の夫婦杉。
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伝承では1715年植樹とのことですから、樹齢約300年。
もともと2本で植樹されたものが、後年根元が結ばれ双樹となった模様。

石段を上がりきると、拝殿。
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本殿。
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ご祭神は諏訪神社なわけですから当然、
建御名方富大神。
そして八坂刀売大神。

長野県神社庁のHPに掲載の情報に拠れば、
「建御名方神が信濃に入り諏訪を統合する途中、
当地に立ち寄られたのでこの地に祀られたとされる。」とあります。
建御雷神との力比べに負けて遁走している最中、
そんな余裕があったのかな?などと下世話な想像を膨らませたりします。

境内摂社群。
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狛犬は石段を上がりきったところに鎮座。
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安政3(1856)丙辰年12月吉日建立。
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阿形が角、吽形が宝珠をそれぞれ頭につけています。
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全体のデザインはオリジナルといっていいと思うのですが、
細部の様子を見ると浪速型の特徴を持っている様子も確認できます。

ただし尾は阿吽でデザインが異なりますね。
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某サイトの情報では制作年代が異なると出ていましたが、
両者の台座にはともに安政の文字が彫られているほかは
別年代の文字は確認できませんでした。
阿吽ともに安政の作品と考えていいと思うのですが、どうでしょうね。
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江戸末期の作品ということで、比較的体格も立派で
オーソドックスな作りながらも手堅くまとまった作りだと思います。

鳩ヶ嶺八幡宮もそうでしたが、石段上がりきりに立つ狛犬は
下から見上げる様子が威圧感ばっちりで狛犬らしくていいですね。
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(撮影日:2014年5月4日)


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飯田で出会った出雲丹後 [狛犬・寺社(飯田市)]

長野県飯田市追手町、長姫神社。
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飯田市街地、河岸段丘を構成する松川と谷川に挟まれた台地の上。
かつて長姫城とも呼ばれた飯田城の城址に鎮座しています。
同社の土地は本丸だった場所のようで、その入口にあたる西側一帯には
柳田國男館や飯田市美術博物館などが並び立っており、
さらに西側には校舎や講堂が国登録有形文化財になっている
市立追手町小学校が建っている文化ゾーンとなっています。

で、神社ですが、、、

ご祭神は
従四位下侍従左衛門督秀政(じゅしいのげじじゅうさえもんのかみひでまさ)
従五位下美作守親良(じゅごいのげみまさかのかみちかなが)
従五位下美作守親昌(じゅごいのげみまさかのかみちかまさ)
同地を納めた堀家のご先祖様たちです。

由緒ですが、
嘉永3(1850)年、当時の飯田城主堀親義が菩薩寺である江戸渋谷の
東江寺内に祀られていたこの三霊神(現ご祭神)を飯田に迎え城内に安置し、
翌年堀家の祈願所である普門院(飯田市仲ノ町)に神殿を建てて祀った。
明治5(1872)年、廃藩に伴い親義は城を出て三霊神を転移先邸内に祀ったが、
明治13(1880)年、旧飯田藩士一同協議し飯田城二の丸奉遷、
同年長姫神社社号許可を得た。
明治33(1900)年、飯田小学校校舎新築に伴い旧本丸の現在地に
社殿が建てられ奉遷された。
(以上、長野県神社庁HPより参照)

神明鳥居をくぐって神社正面へ。

二の鳥居をくぐるとすぐ両脇に狛犬一対。
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大正7(1918)年4月建立の出雲丹後。
長野県内で出雲丹後を取材するのは、自分はこれで二例目。
一例目は箕輪町の長岡神社でしたが、こちらのほうが風化が進んでいる印象です。
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デザインは出雲丹後のスタンダード。
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長岡神社といい、ここ飯田の同社といい、日本海から距離のある山国の神社まで
出雲丹後が運ばれてきたことに驚きますが、
時代背景を考えると鉄道網もかなり発達してきている時代ですし、
内陸輸送で持って来られたと考えたほうがいいのでしょうかね。
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こういう狛犬たちの類型を見ることで当時の物流の様子も
いろいろと考えさせられたりします。

境内社。
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拝殿。
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本殿は覆い屋のなか。
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社務所は地図を見ると長野県神社庁の飯伊支部が置かれているようです。
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城址の遺構はほとんど感じられませんが、
境内はきれいに整っていてきれいでした。
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(撮影日:2014年5月4日)


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戦中の岡崎現代型 [狛犬・寺社(飯田市)]

長野県飯田市上郷別府、護老神社。
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飯田市街の東側、国道153号のバイパス路線のさらに東側、
別府地区の高台になっている場所に鎮座。
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別府公園という児童公園(?)と児童館のある敷地奥に鎮守の森があり、
参道両脇に岡崎現代型が一対座っています。
2014.05.04.gorou3.JPG2014.05.04.gorou4.JPG
昭和17年10月建立。

標準的な岡崎ですが、
戦争真っ只中の時期に建立した思いはいかばかりかと。

じつは同社を訪れたのは本殿に木造の古い神殿狛犬がいるという情報からで、
ホントはそれを取材する目的があったわけなんです、、、が。
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なんでだろう?
その神殿狛犬を見ることもなく参拝だけしてさっさと引き上げてしまいました。
取材当日は天気が良すぎるくらいで、訪れたのは午後2時頃と一番暑い時間帯で、
それまでかなりの数の神社を訪問済みで疲れていたのかもしれません。
ボーっとして目的も果たさぬまま撤収してしまうとは。
まあ自分の取材ツアーでは時折やってしまうポカなんですが。。。

再訪希望リストに一社が加わりました。

(撮影日:2014年5月4日)


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面白いのか厳ついのか、、、な狛犬 [狛犬・寺社(飯田市)]

長野県飯田市八幡町、鳩ヶ嶺八幡宮。
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国道153号と151号の間に挟まれる感じで境内があります。

151号は遠州街道で、表参道はそちら側から。
境内は段丘を利用していて高低差がかなりありました。
文化財指定の神像もあったりと、境内は由緒が古いようです。
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ご祭神は、
誉田別尊(応神天皇)
息長足比売命(神功皇后)
武内宿禰命

創建年はハッキリしないそうですが、鎌倉初期ではないかとのこと。
山城国の石清水八幡宮より勧請し、正嘉元(1258)年12月に現在地に遷座。
以下、由緒書き。
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参道途中の岡崎現代型。
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平成3年8月吉日建立。

銅製の灯篭があり、そこにも可愛い狛犬がいました。
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参道を横切る水路がいい景観を作っています。
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神門。
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神門両サイドの隋神像。
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石段と周囲の様子が町なかの神社とは思えないほど静かな雰囲気。
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神馬殿。
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弓道場。
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境内社と大黒天。
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拝殿。
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本殿は飯田市指定文化財。
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社務所。
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境内社。
左から、金毘羅宮、稲荷社、伊良親王神社、天照皇太神宮。
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そして背の高いご神木の前に狛犬が一対います。
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寛保3(1743)年8月15日建立。
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江戸中期ですが、表情は非常にユニークで個性的です。
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なんというか、にやりと笑っているというか、
しかめっ面をしているというか。
豚鼻も印象的な、なんとも不思議な表情です。
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尾は関西でよく見かける浪速型の団扇スタイルに似た感じですね。

長い石段の上がりきりに鎮座していますが、
こういう配置だと上から見下ろされている感じになるので、
高い台座に座っていなくても威圧感はありますね。
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(撮影日:2014年5月4日)


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年銘のあるものとして長野県内最古説の狛犬 [狛犬・寺社(飯田市)]

飯田市中村、八幡社。
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国道153号中村交差点から県道223号を東へ入り、
県道491号との交差点手前右側の高台の上に鎮座しています。

県道脇に一の鳥居。
石段の途中に二の鳥居が待っています。
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石段の凸凹感がなんともいえません。

石段を登りきると広々とした境内が広がり、
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右手には大正年間建立の戦捷記念碑と
平成(昭和?)年間の祈平和の従軍記念碑が並び立っています。
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それぞれの時代背景を映した記念碑ですね。

狛犬は拝殿前に岡崎現代型が一対。
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昭和63年3月吉日建立。

そして同社のシンボル(?)でもある、表題にも書いた
年銘のある狛犬として長野県内最古の説もある子達は
拝殿を抜けて本殿の縁側にそっと静かに鎮座しています。
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延宝6年建立、、、のようです。

のようですというのは、自分は現地で年号を確認できずじまいで。
検索した情報によれば、ということにしておきますが、
きちっと観察調査した人の情報のようなので、間違いはないと思います。
(ただし出回っている情報は延保と誤表記されているものを見かけますが)

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本体は制作年代の割には状態は比較的よさそうにも見えます。
おそらくずっと神殿の屋根掛かりの場所に据えられていたのでしょう。
縁側とはいえこの点は非常に大きかったのだろうと思います。

とはいえ、表情はさすがに風化の進行もあって目鼻の様子は
ほとんど分からなくなってしまっているのが残念です。
2014.05.04.nakamura15.JPG2014.05.04.nakamura16.JPG
というか、もともと彫りがそんなに深くないんでしょうね。
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素朴感が可愛いはじめちゃんでした。

(撮影日:2014年5月4日)


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安政5年の稲荷狐 [狛犬・寺社(飯田市)]

飯田市愛宕町、愛宕稲荷神社。
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狛犬は居ないのですが、安政5年の狐さんがいるということなので、
予定を組んで訪ねてみました。

飯田市市街地、国道256号三州街道の国合同庁舎前交差点より東に入ると、
突き当たりに境内入口があります。

社殿は回り込む形になるので、表参道がこちらであるのかは分かりません。
社殿正面側(東側)には石段があり、こちらが正式な参道になるのかもしれませんね。
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長野県神社庁HPによると、同社の創建は文治年間、
飯坂城主坂西由政が伏見稲荷より勧請し、知久町南端に奉祀したのが始まりとのこと。
文禄年間、飯田城主京極高知が城下の掛道を整理する際、
飯坂城跡で当時愛宕山地蔵寺の境内であった当地へ奉遷。
その時から「愛宕稲荷神社」と称するようになったとのことです。
その後、明治44年に境内に祀られていた愛宕社を合祀しました。

境内社。
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市天然記念物に指定されているエドヒガンザクラの古木。
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本殿は屋根だけ。
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幾つかの鳥居をくぐった先、肝心の狐さんは拝殿前に居ました。
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安政5年午5月吉日建立。
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いかにも狐らしい狐の表情。
阿形のほうは出っ歯が特徴ですね。

狐というのは狛犬と違ってデザインがリアルなのが普通で、
ここの子達も例に漏れずリアルなんですが、
それでも後姿を見るとプロポーションが微妙なのが分かりますね。
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同社にはこの子達とは別に拝殿脇にもう一対の狐たちが居ました。
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こちらは昭和5(1930)庚午年7月建立。
石工:布施菊三郎。
この石工名は飯田界隈の狛犬はじめ石造物ではよく名が出てくるようです。

飯田市というのは段丘が大きくて崖地が多い土地なのは以前から知っていますが、
ここ愛宕神社はその段丘の上にあって、境内からは“対岸”がよく見通せます。
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町全体が坂の町の様相なのですが、坂のある町が好きなものとしては
飯田の市街地もゆっくりと歩いて巡ってみたいところだと改めて思いました。

(撮影日:2014年5月4日)


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西洋な顔立ちの狛犬? [狛犬・寺社(飯田市)]

飯田市羽場権現、元山白山神社。
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今回の取材ツアーに出る前に情報検索をしているとき、
同社の狛犬が西洋的、混血狛犬だとかいうのをどこかで目にして、
それで訪れた次第なのですが。。。
その肝心の紹介文があったウェブサイトがどこか忘れてしまったという。

で、実際に実物を拝みにやってきたわけですが。
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一の鳥居をくぐり、石段を上がると、その石段の途中に鎮座していました。
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建立年は台座にあるのですが、10月4日と月日は判るのですが
年の数字がいまひとつ読み取れません。
大字で“参”と書かれているようにも見えるので、であれば
昭和13年10月4日となるはずです。
が、10月が“拾”ではなく“十”で記されているので、そう思うとあるいは
昭和16年10月4日と読み取れなくもないです。
ネットの狛犬サイトでこの狛犬を紹介している欄を見ても
年代については昭和12年だったり18年だったりとバラバラです。
とりあえず、断定せずに戦前~戦中にかけての作ということにしておきましょう。

で、肝心のデザインについてですが、
なるほど西洋的とはよくいったもので。
2014.05.04.motoyama8.JPG2014.05.04.motoyama9.JPG
2014.05.04.motoyama10.JPG2014.05.04.motoyama11.JPG
たしかにルックスはどことなく西洋っぽさを感じなくもない、、、かな?
イエズス会の神父にこんな頭をした人、居ませんでしたっけ?

神社探訪狛犬見聞録さんのサイトでは
この地の狛犬と岡崎現代型の融合したような、と表現されています。
飯田地方の狛犬を本格的に観察したのは今回の取材ツアーが初めてなので
その特徴をまだ完全には掴んでいないのですが、
少なくとも岡崎とも交流のあるはずのエリアですから、
石工の業界でもなんらかの影響の与え合いはあったと考えても不思議ではないですね。
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石段を登りきったところで拝殿。
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由緒書きが見当たりませんでしたが、社名から察して
ご祭神は白山比咩と考えるのが普通でしょうね。

社務所。
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天満天神。
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石段の途中には神楽殿のような建物がありました。
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2014.05.04.motoyama17.JPGご神木は下の境内に。

飯田市でも郊外に鎮座する神社。
静かな環境でいい雰囲気でした。
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(撮影日:2014年5月4日)


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阿吽が逆さのはじめ狛犬 [狛犬・寺社(飯田市)]

長野県飯田市山本、七久里神社。
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中央道の飯田山本インターより少し北寄り、中央道の西側に鎮座。
高速道路のたもとから参道が続いています。

一の鳥居は上の画像。

二の鳥居。
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そして三の鳥居から石段が続きます。
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由緒書き。
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これによると創建は天授2(1376)年となっています。
信濃宮と呼ばれる後醍醐天皇の御子宗良親王ゆかりの神社ということで
元号も南朝のものを使用しているのですね。

ご祭神は誉田別八幡神。
相殿として建御名方諏訪神と健速素戔男津島神。

境内には御柱も立っています。
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根元からくねっと曲がったまま伸びている松の木がすごいですね。
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社務所。
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拝殿。
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本殿。
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拝殿の向拝にいるのは、、、鬼子?
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津軽で見かけたような鬼の面容ではないですけどね。
同社の秋季大祭は裸祭りであるようなので、
それに何らかの関係があるのでしょうか。

同じく拝殿の木鼻にいる狛犬たち。
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ユニークな表情をしています。

そして本題の参道狛犬。
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建立年不明のはじめちゃん。
阿吽が左右反対に座っています。
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口が大きく、顔面は平面的。
この地方のはじめちゃんの類型に見られるデザインが
踏襲されていると思われます。
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反対配置ながらも吽形の歯を剥き出しにした様子は
安布知神社のお猿さん的狛犬に似た空気を感じますね。
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比較的近いエリアですし、あるいは制作の参考にでもされたでしょうか。
この子達は作者はもちろん制作年も不明ですから、
ひょっとすると同じ作者である可能性もゼロではないですしね。
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いろんな想像が許されるのも年代モノの狛犬ならではですね。

境内からは参道の向こうに中央道。
その遥か彼方に南アルプスが望めました。
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(撮影日:2014年5月4日)


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