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大船渡市のスリム櫓 [火の見櫓(岩手県)]

大船渡市下船渡の火の見櫓。
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国道45号沿いに立っています。
こちらも沿岸部からさほど離れた距離ではありませんが、
国道自体が高台を走っているため、この火の見櫓の立つ場所は
津波の直接的な被害は免れたようです。
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先にアップした末崎町のものと異なり、ちゃんと半鐘があり、
デザイン的にも標準的な火の見櫓のそれとなっています。

ただ、斜材はターンバックルは使用せず、山形鋼にて仕上げており、
また全体的なフォルムもかなり細身。
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あと、屋根の代わり(?)に防災サイレンが設置されているのは
やはり土地柄というべきでしょうか。
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震災の生き証人として、今後も地域防災のシンボルとして
長生きして欲しいと願います。

(撮影日:2013年8月13日)


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はげ頭?な、招き狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

大船渡市末崎町神坂、熊野神社。
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海にも近いですが、周囲の雰囲気は里山の鎮守の杜といった感じ。
境内の内外には、かやなどの天然記念物の樹木が杜を形作っています。
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表参道から上ると、階段の上がりきりに一対の狛犬。
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寛政11年(1798)10月朔日の建立。
参道狛犬としては比較的古い年代。
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なんとなく、坊主頭という印象が強いんですが。
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渦巻状の鬣が特徴的ですね。
阿吽ともに前足が片方だけ上げてます。
いかつい顔つきなのに、招き狛犬風が可愛いですね。
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本殿と拝殿。
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拝殿の鬼瓦が狛犬?
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可愛い表情をしていました。

(撮影日:2013年8月13日)


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沿岸部に立つ防災塔 [火の見櫓(岩手県)]

大船渡市末崎町小中井の火の見櫓。
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火の見という表現が果たして適切なのか。
半鐘は装備されておらず、てっぺんには防災サイレン。
土地柄、津波警報塔としての意味合いが強いでしょう。
広く言ってしまえば防災塔という表現でもいいかも。

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沿岸部の火の見櫓は津波に被災したもので
倒壊してしまったものが相当数あったようです。
震災後しばらくの間は放置されたままだったものもあるようですが、
私が訪れた際には、そうした被災放置だった倒壊櫓はすべて撤去済みでした。

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この櫓は立っている場所は海面より一段上がった土地で、
震災時の津波は道路の直下までだったようなので、
直接津波には襲われなかったようです。
が、当時はサイレンがきっとけたたましく鳴り響いたのではないでしょうか。

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2013.08.13.suezakichou7.JPG

主要構造部は丸鋼を使用しており、
三脚の柱は先端部が見張り台を突き抜け、
そのまま防災サイレンの装置を固定する役割を受けています。
鋼材も含めてデザインとしては珍しい形かもしれませんね。
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(撮影日:2013年8月13日)


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フニャッとした表情の狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

陸前高田市高田町西和野、氷上神社。
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沿岸部より2キロほど奥まった集落のなかに鎮座。
津波は神社は到達していないとはいえ、
とうぜん地震被害はあったのではと思われます。
2年半後の今となってはそれは見た目にハッキリとは分かりませんが。

道路から玉砂利の参道を歩くと、やがて石畳に変わり、境内へ。
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同社は後背にある氷上山にある奥宮に対する里宮になるそうです。
ご祭神は天照大神、素盞嗚神、稲田姫命。

狛犬は参道途中に一対。
2013.08.13.hikami6.JPG2013.08.13.hikami7.JPG
厳つさは感じられず、体躯もさほど大きくなく、
標準的な落ち着いたスタイルですが、
表情はどことなくフニャッとした感じの、所謂ひとつの和み系?
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あと、狛犬の背後にある池にこんなのがいました。
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立派な拝殿。
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このなかに石造の神殿狛犬が居るはずなのですが、
訪れた時刻があまりに早朝すぎて、結界もあって拝むことが叶いませんでした。
もっと遅い時刻にきたら拝観出来たかな?
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(撮影日:2013年8月13日)


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ほっかむり狛犬、現る [狛犬・寺社(岩手県)]

陸前高田市竹駒町童子、竹駒神社。
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ご祭神は、倉稲魂大神・豊受姫大神。
由緒に拠れば、創建は天平6年(734)。
行基が伏見稲荷より勧請したのが始まりとされています。

沿岸部から奥まった里山に少し入り込んだ場所に鎮座していますが、
参道はかなり長くて境内よりかなり手前の平野部から鳥居が立っています。
もっとも、上の画像の横長なものは二の鳥居にあたるらしく、
これより300mほど手前(沿岸部寄り)に在った一の鳥居は震災の折に津波の影響で
倒壊してしまったようで、残念ながら現在は台座も撤去されて無くなっていました。
情報に拠れば一の鳥居と二の鳥居の中間辺りまで津波が寄せたそうです。
この付近は沿岸部より数キロも内陸になるのですが、
津波は近くを流れる河川を逆上したようです。

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境内に近づいた位置に立つ石の鳥居。
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そして駐車場になっている広場には大きな松のツインタワー。

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石造物が立ち並ぶなか、ここから境内の参道が始まりますが、
その入口両脇には岡崎現代型が一対。
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昭和18年(1943)10月28日建立。

赤い布でほっかむりしています。
後に訪ねた神社でも、ほっかむりをした狛犬を見かけました。
情報に拠れば、狛犬のほっかむりは同地方では他にも何対があるようです。
赤色や黄色、柄物に変わることもあるようですが、
この風習はなにが理由なんでしょうね。
「頭に雪が積もると寒かろうて」などというのは笠地蔵にあったお話ですが、
そんなところなら他地方でもありそうなもんですが。

参道の途中には、これまたほっかむりした狐さんが一対。
2013.08.13.takekoma8.JPG2013.08.13.takekoma9.JPG

そして参道の奥には、同社のメイン(?)の狛犬が。
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文政7年(1824)建立。
所謂蹲踞型なんですが、デザインが独特です。
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正面から見てはかなり細身。
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尻尾の張り付いた背中はゆるやか&滑らかなカーブを描き、
身体全体は細長い楕円を4分の1カットしたような寸法です。
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ほっかむりをしていても表情がユニークなのが分かりますが、
少しだけお許しいただいてほっかむりを外させてもらうと
小さな角がついているのが分かりました。
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境内ではご他分に漏れず多くの灯篭や石碑などが震災時に倒壊し、
この狛犬も阿形のほうが倒れてしまっていたたようなのですが、
幸い目立った損傷もなく、そのまま同じ位置で無事に立ち直ったようです。
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ユニークなのは狛犬だけではなく、
立派な拝殿にはたくさんの鈴がぶら下げられていました。
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幾人もの人が何かの記念に奉献されたのでしょうかね。

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本殿は覆屋で密閉されていて詳細は不明。
そしてその背後には数社の境内摂社が並んでいます。
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そのセンターにある社は頑強な石の垣根(壁?)に囲われていました。

境内奥に立つご神木が立派です。
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麓からの参道も長く、境内も広く、そしてきれいに整備がされていました。
地元の崇敬が厚い神社であることがよく分かりますね。
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(撮影日:2013年8月13日)


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ある意味左右対称(?)な狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

陸前高田市気仙町湊、鹿嶋神社。
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こちらも月山神社同様に高台の上に立っていますが、
月山に比べて沿岸部寄りで、麓はほとんど海岸といってもいい位置になります。

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高台の境内へと上る石段は月山神社のそれ以上に長く、ひと汗かきます。

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石段途中にある鳥居をくぐり、ようやく拝殿などの建つ境内へ。

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拝殿と摂社の稲荷神社。
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拝殿向拝の彫り物が素敵で、狛犬も立派です。

その拝殿前に一対の狛犬。
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よく見てください。
2013.08.13.kashima10.JPG
拝殿に向かって左側の子は顔を拝殿側に向けています。
座り方を向かって右側のものと同じ方向に向けたとすると、
まったく同じ顔の向きを取ることになりますね。
造り手があえてそうしたのか、それとも一対を制作する際に
誤って顔の向きが同じデザインの2体としてしまったのか。
ただし、口元はしっかりと阿吽になっているので、
まったくの瓜二つというわけではなさそうです。

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そして、その表情はけっこうユニークな部類に入ると思われ、
髪型はクレオパトラカットの、古い年代によく見かけるデザイン。
大きさも小ぶりで、素朴な親しみの持てる子達ですね。

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境内から振り返ると陸前高田の海が一望できました。
2年半前のあの日が嘘のように、真夏の陽光に輝く穏やかな海がそこにありました。

(撮影日:2013年8月13日)


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陸前高田の恐竜顔(?)狛犬 [狛犬・寺社(岩手県)]

陸前高田市気仙町月山、月山神社。
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市街地エリアから程近い、国道45号線に面して鎮座。
境内入口にある由緒板にある文字はかすれて読み取りづらいのですが、
ネットでの情報によれば、ご祭神は月読命、
正治2年(1200)に出羽国の月山神社より勧請したとのことです。
2013.08.13.gassan2.JPG

国道脇に立つ鳥居をくぐると、長い石段が待っていて、
それを上りきったところに一対の狛犬がいます。
2013.08.13.gassan3.JPG2013.08.13.gassan4.JPG
阿吽が通常と反対になっているのですが、
やはり震災の影響でしょうか、
向かって右になる吽形のベースが破損して一部傾いています。

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獅子には見えないですね。
やっぱり恐竜顔といったほうが適切なような。

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建立年は不明。
阿形に角、吽形に宝珠が、それぞれの頭の上に乗っています。
デザインとしては整っていますが画一化されたものではなく、
オリジナル性ある個性的なところがいいですね。
今ツアー最初の出会いとしては満足いくものでした。

拝殿と本殿。
2013.08.13.gassan9.JPG
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境内はとてもきれいに整えられていました。

(撮影日:2013年8月13日)


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2013夏、東北取材ツアー [その他]

毎年恒例(といってもまだ2回目だけど)、夏の東北取材ツアー。

昨年の福島に続きまして、今年は青森&岩手に向かいました。
もちろん県内全域くまなく巡るには日程が足りようはずも無く、
今回まず岩手県では陸前高田から大船渡&釜石方面を巡り、
遠野市を重点的に取材。
そして青森県では弘前市を拠点に南津軽エリア一帯を取材しました。

4日間の取材ツアーのスタートは陸前高田市。

2011年3月11日、決して忘れることのない大震災。
あの大津波の傷跡、といってしまうにはあまりに衝撃的な町の様子。
昨年の福島取材では内陸エリアばかりで海岸部は行かなくて、
今回初めて津波被害のあった地域を直接目にすることになったわけですが、
かつて町が広がっていたであろう地域があたり一面野原になっている様や、
港湾施設をはじめとするまだ残されたままの被災建物の様子を見ていると、
なんともいえない気持ちにさせられました。

現在はモニュメントとして復活した、陸前高田の奇跡の一本松。
朝日の光を受け、凛とした姿で建つその様子を目に焼きつけ、
日々の生活に感謝しつつ、今回も地域のシンボルタワー=火の見櫓と
鎮守の杜の守護獣=狛犬を取材して巡るツアーをスタートしました。

ちなみに今回の取材先は狛犬&火の見櫓、両方合わせて4日間でおよそ90箇所。
基本的に記事エントリーは取材日時の時系列に沿ってアップしたいと思います。
まあとくにこだわっているわけではないですけれども。。。

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(撮影日:2013年8月13日、日の出の時)
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長野県内最古(?)の狛犬 [狛犬・寺社(北佐久郡)]

長野県北佐久郡軽井沢町、碓氷峠の熊野皇大神社。
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軽井沢より旧中山道(“いちにちじゅうやまみち”ではないですwww)を行き、
群馬県との県境に鎮座しています。

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正真正銘、県境を跨いでいて、参道の中心を県境が走り、
社殿も信州と上州の地に半分ずつ立っています。
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名称は信州側は上述の熊野皇大神社と呼ばれ、
上州側は熊野神社の名前で呼ばれています。
ひとつの神社でありながらふたつの宗教法人となっており、
宮司も両県(両社)の側でそれぞれにいらっしゃるそうです。

景行天皇の時代に日本武尊が熊野三社を勧請して創建したという
伝説的な由緒を誇る古社ということになりますね。

そしてここに、長野県下でもっとも古いのではとされる狛犬がいまして。

まず参道入口に岡崎現代型が一対。
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昭和50年5月15日建立。
これはとりあえずあっさりスルーww。

長野県最古といわれる一対は少し先の石段上り口にいます。
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由緒書きによれば、室町時代中期作とのこと。
室町時代を一般的な1336年から1573頃までだとすると、
1400年代半ば頃がその時代になるということですが、
山梨県市川三郷町の熊野神社にいる国産最古の石造狛犬との
評価もなされている子たちが応永12年(1405)の作ですから、
それに近い建立年代ということになりますね。
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はじめタイプとしては比較的大型の部類に属すると思いますが、
デザインなどはまさに石造狛犬の原始的スタイルを感じさせます。

阿形は口が大きく開き、オオサンショウウオのようなイメージ。
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吽形のほうがまだ表情がある程度残っていますが、
なんとなくマンガチックに思えなくもない、ユニークな表情。
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体毛をあらわす彫りの様子はまだはっきり見て取れ、
年代の古いわりにはしっかりしていると思います。
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2012.10.07.kumano13.JPG2012.10.07.kumano14.JPG

長野県側では軽井沢町がこの子たちを文化財指定しているのですが、
いちおう一対で、ということになっています。
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県境を超えてしまっている阿形も含めてということでしょうが、
行政のやることにしてはこのへんは臨機応変という感じなのでしょうかね。

県境になる石段を上りきると隋神門がそびえています。
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その手前に据えられている、石の風車一対。
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元禄元年(1688)建立。
これも軽井沢町の文化財指定。
詳細は立て看板をご覧ください。
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隋神門両脇にいる狛犬一対。
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昭和17年(1942)5月建立。
目玉がやたらと大きいです。

御本殿は三殿立っています。
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中央(上信国境)=本宮:伊邪那美命、日本武尊。
向かって右(上州側)=新宮:速玉男命。
向かって左(信州側)=那智宮:事觧男命

ご覧の通り、信州と上州でそれぞれ社号標が立っていまして。
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お賽銭箱もそれぞれに用意されています。
やはり両方に入れないとご利益に影響あるのだろうか?

本宮と新宮の社殿。
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それぞれの神様に合わせて千木と鰹木の形状の違いが分かります。
本宮相殿の日本武尊は男ですけどね。。。

境内にそびえるシナノキ。
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長野県天然記念物指定。
シナノキは信濃の国と名づけられた由来になったとも言われていますね。

熊野神社の御約束ということで。。。
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長野県側の祈祷殿・神楽殿(写真左)と、群馬県側の神楽殿(同右)。
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外観が統一されていないのは、アシンメトリーを意識した訳ではないと思いますが、
これが西洋のキリスト教会なんかだったらきっと左右対称になったのでは。

参道を道路向かいに立つ、峠の茶店。
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こちらもまた県境を跨いで立っています。
(正確には写真のお店の建物部分は長野県側に属するようですが。)

古事記の世界においても日本武尊の伝説が伝えられる由緒ある碓氷峠。
古より一級の国内主要道であった旧中山道ですが、
急坂続きの難所だったことは高速道路が開通した現在でも変わりません。
ただ遊歩道も整備されているようなので、往時を偲びながら
歩いて同社を訪ねてみるのもいいかもしれません。

(撮影日:2012年10月7日)


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お寺の狛犬の代表格 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都目黒区下目黒、目黒不動尊。
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天台宗、泰叡山瀧泉寺が正式名称。
一般に目黒不動として親しまれている、
関東最古の不動尊霊場というこの地ですが、
ここに東京最古といわれる石造参道狛犬がいるという話で、
6月の東京取材ツアーのトリを飾るべく、やって来ました。

東急目黒線不動前駅下車、徒歩、、、なから15分ほど。
お寺なので隋神門ではなく、もちろん仁王門。

仁王門前にさっそく一対の狛犬がいます。
2013.06.16.meguro2.JPG2013.06.16.meguro3.JPG
が、平成11年奉献の子達は、今回はスルー。

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2013.06.16.meguro6.JPG2013.06.16.meguro7.JPG
門の両脇に仁王様がいますが、その後ろ、
仁王に背を向ける格好で石膏の狛犬が一対います。
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東大寺南大門の仁王と狛犬の配置そっくりですね。
2013年2月19日のエントリー記事

原型制作者:後藤良(なおし)。
狛犬の情報サイト「狛犬の杜」にある情報を要約すると、
じつはこれ、もとは靖国神社に奉納される狛犬の原型として
大東亜戦争中に陸軍省が後藤氏に制作依頼して作られたものとのこと。
後藤氏は純国産最古の石造狛犬と誉れも高い(?)京都の籠神社の狛犬を
モデルとして制作をスタートさせ、石膏像による原型まで完成させました。
原型をもとに石造作業が始まったのですが、戦争も終結して計画は頓挫。
その後、戦後社会も落ち着き、靖国神社の狛犬制作は改めて制作再開。
後を受けた八柳恭次が完成させ、昭和41年に奉献が実現。
それが少し前のエントリーに掲載した参道入口にいる籠神社型狛犬です。

原型としての石膏像はその後居場所を転々としていましたが、
後藤氏の孫である彫刻家安原氏がこれを引き取り破損箇所を修復後、
依頼を受けたのちに目黒不動尊に奉献されることになったそうです。
時は昭和53年(1978)7月。

なので、靖国神社と目黒不動尊にいるこの狛犬は、
まぎれもなく同じ親(=後藤良氏)から生まれた子達ということになります。
もっとも、両者の誕生の経緯はともかく、そのオリジナルモデルが
京都の籠神社の狛犬であることに変わりはないですが。

参道を歩くとすぐ山犬の一対が待っています。
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2013.06.16.meguro10.JPG2013.06.16.meguro11.JPG
文久2壬戌(1862)正月建立。

2013.06.16.meguro12.JPG2013.06.16.meguro13.JPG
2013.06.16.meguro14.JPG2013.06.16.meguro15.JPG
親子の姿がなんとも和み系ファミリーでいいですね。
阿形の腹部に小さな突起が幾つか見られることから、
おそらくこちらが母親ではなかろうかと思われます。
陰部に男女の象徴(とくに男の子の、、、)が彫られることは
狛犬の世界では時折見かけますが、
乳首によって母親を明確に示す彫りは比較的珍しいと思います。
自分が見た中では、福島県石川町の石都々古和気神社の狛犬くらいですね。
2012年9月18日のエントリー記事

山犬は参道石段の上り口にもいますが、
こちらは阿吽ではなく一セットの親子でまとめられています。
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目黒不動尊の象徴でもある、独鈷の滝と池。
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池と水掛不動の背後にある斜面には石仏などがずらり。
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その石仏に混じって山犬や狛犬の姿もたくさん見受けられます。
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下から眺めているとよく分からなかったのですが、
石段途中から見ると、この子は頭部が切断されていたのだということが
よく分かります。

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石段を上がりきると本堂がずんと目に飛び込んできますが、
そのまえ石段上がりきりの両サイドにいる一対。
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承応3年(1654)建立。
これが現在、東京最古といわれている石造参道狛犬一対です。
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胸元に年号などが記されているのが、はじめちゃんによく見られる光景。
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とくに地方ではまだまだ素朴なデザインのものがおおい年代の作品と考えると、
年代の古さのわりにはかなり凝ったデザインなので、ちょっと驚きです。

本殿向かって左奥、八大童子の山の前にいる狛犬。
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手前に柵があって近寄れなくなってましたが、
岡崎現代型なので、まあいいかと。。。

それより本殿向かって右、微笑観音菩薩の側にいる子に興味が惹かれました。
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天保11(1840)庚子年11月建立。
江戸狛犬の典型的デザインですが、
ここでは本体よりも台座のレリーフが秀逸。
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獅子の子供と牡丹でしょうか。
やんちゃっぽい子供が牡丹の花畑で遊んでいる様子が細かく描かれています。

そしてその下段では山犬の子供たちが無邪気に遊んでいる姿が。
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なんとも微笑ましさを感じる彫り物が素晴らしいのですが、
残念ながら後背部が大きく欠損しており、なんらかの事情(震災?)などで
一度倒壊してしまったのかなと思われます。
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そしてこの狛犬は一体のみで、
近年になって吽形のほうが再建されたのですが、、、
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現存した阿形と比較して、あまりのギャップに言葉を失い。。。
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台座は先代の吽形が乗せられていたものでしょう。
阿形のそれと対になっていますが、こちらはレリーフもほぼ失われています。
一対できれいに保存されていれば、非常に優れた作品として
高い評価を受けていたのではないでしょうか。

石段を下り、独鈷の滝の背後に回ると、前不動堂があり、
その前にも山犬が一対鎮座していました。
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おとなしそうな、素朴な子達です。
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今回、目黒不動尊は初めて訪れました。
東京でも有名な不動尊として、正月の初詣客も
けっこうな人出になるそうですね。

田舎者の自分には目黒って山の手の住宅街というイメージでしたが、
適度な坂道も多く、下町の雰囲気も感じる庶民的な商店もけっこう見かけて、
自分の波長に合いそうな町並みが気に入りました。

目黒不動尊HP

(撮影日:2013年6月16日)


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