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みちのくの玄関口にたつ、境の明神 [狛犬・寺社(福島県)]

福島県白河市と栃木県那須町との県境に建つ神社。
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(左、那須町側。右、白河市側)

正確には境を挟んで両側にそれぞれ神社が祀られています。
奥州街道を北上した、みちのくの玄関口がまさにここ。
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地形もちょうど峠になっていて、これを境に道が南北に下っています。

玉津島神社と住吉神社なわけですが、
下野国(那須町側)も陸奥国(白河市側)も昔から両方が
自分の側が玉津島神社で、境の向こう側が住吉神社だと
主張しているのだそうな。

玉津島は女神・衣通姫(そとおりひめ)、
住吉は男神・中筒男命(なかつつおのみこと)。
女神は内(国を守る)、男神は外(外敵を防ぐ)という信仰に基づいた主張らしく、
事実、那須町教育委員会と白河市教育委員会が掲げた由緒書きには
それぞれ自分たちの側こそが玉津島神社だと記してあり、興味深い。
もっとも、二社でワンセットのように祀られて来たのだろうし、
だからといって両国で争いが起こったとか、そういう次元の話でもないのでしょうし、
二社あっても地図には両方セットでただ“境の明神”としてのみ
表記されているのはそういう背景からなのでしょうね。
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(那須町側:本殿+覆い屋と、傍らに鎮座する大日如来坐像)

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(白河市側:本殿と、由緒書きにあった古絵図)

で、狛犬。

こちらは那須町側。
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こっちは白河市側。
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どちらも江戸狛犬の印象が残るデザイン。
ただ、白河側に立つ狛犬からは、
この先に点在する福島型狛犬をどことなくイメージさせているような気も。

それにしても今回の福島の狛犬巡りでは
震災の影響であろう傷跡をあちこちの神社で目にすることになりました。
この境の明神でも、白河側の鳥居が崩壊して柱のみが
危険な状態で残置されている状況で、灯篭や玉垣も一部が倒壊。
狛犬も阿形が傾いていたりと、痛ましい惨状です。
なんとも言葉が出てきません・・・。

(撮影日:2012年8月13日)


より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示

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