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和歌三神のひとつ [狛犬・寺社(和歌山県)]

和歌山市和歌浦中、玉津島神社。
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風光明媚という言葉の代表格的存在、、、
と、かつては言えなくもなかった、、、かもしれない、和歌浦。

その中心的な場所に位置するのが同社。

万葉集にて、山部赤人が
『若浦爾 鹽滿來者 滷乎無美 葦邊乎指天 多頭鳴渡』
(若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴(たづ)鳴き渡る)
と歌ったのがこの和歌浦(若の浦)。

古の世、付近一帯は現在以上に海が広がり、
いまは小高い山に見える高台も、かつては海のなかに浮かぶ玉のような島だったそうで。

当時の和歌浦の様子を語る由緒書きは以下の通り。
2013.12.31.tamatsushima15.JPG
これによれば、神亀元年(724)に聖武天皇が行幸した際、
和歌浦の景観を絶賛し、景観保全のための番人を置いたということですが。
もしかしてこれって日本で初めて実施された景観保全行政じゃないんですか?
よく知らんけど、だとすればすごい画期的なことですね。

さて、神社に戻ります。

主祭神は、、、
稚日女尊(わかひるめのみこと)
息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと=神功皇后)
衣通姫尊(そとおりひめ)、の三柱。
配祀神で
明光浦霊(あかのうらのみたま)。

『玉津島社の創立は極めて古く、社傳によれば、「玉津島の神は、〝上つ世〟より鎮まり坐る」とある。
稚日女尊は、諾・册二尊の御子であり、天照大御神の妹神に当らせられ、
後世又の御名を丹生都比賣神と申し上げる。
息長足姫尊は即ち神功皇后である。
皇后が海外に軍をおすすめになられたとき、玉津島の神が非常な霊威をあらわされたため、
皇后これに報われ御分霊を今の伊都郡かつらぎ町天野の地にお鎮め申し上げ、
爾来玉津島・天野に一神両所に並び立ち、毎年天野の祭礼に神輿がはるばる玉津島に渡御する
所謂浜降りの神事が應永の頃(1429)まで行われた。
玉津島の神を尊崇せられた皇后は後に卯の年月にちなみ、御自身も合祀せられることとなった。
衣通姫尊は、第十九代允恭天皇の妃で絶世の美人であられ、その麗しさは名のとおり
「衣を通して光り輝いた」と伝えられ、又殊のほか和歌の道に秀でられたことはよく知られるところである。
衣通姫尊は、第五十八代光孝天皇の勅命により当社に合祀せられた。』
(以上、和歌山神社庁HPより)

古くは玉津島明神とも呼ばれ、住吉明神、柿本人麻呂とともに「和歌三神」と呼ばれています。
(三神の内容については諸説あり)

朱塗りの明るい両部鳥居の手前に狛犬一対。
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慶応4年(1868)9月建立。
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がっしりした浪速狛犬ですね。
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いい表情をしています。

1868年といえば、翌10月には明治と改元されるわけですが、
9月と言えばまだ東北で東西両軍が激戦を繰り広げていた時期ですね。
そんな当時に奉献された背景ってどんな感じだったのでしょうね。。。

参道脇に稲荷社。
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小野小町、袖掛の塀。
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あの小野小町が袖を掛けた塀ということになるのでしょうが、
解説板の類がなかったので詳しいことはよく分かりません。

拝殿。
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拝殿脇に立つ万葉歌碑。
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本殿は裏山の木立と一体となって視界が遮られており、よく見えませんでした。

代わりの見どころといってはなんですが、こちら。
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天然記念物の根上り松(名称:鶴松)。
大正10年(1921)に和歌山市高松の地より移転保存したそうです。
覆い屋のもとに保存されていますが、様子は大正期に移設したとは思えないほどで、
まるでまだ根を生やして生きているかのような印象でした。

神社の正面には鏡山があり、
玉津島神社の鳥居をくぐった境内からは直接海が見通せません。
この鏡山に登ると片男波をはじめとする絶景が見晴らせるのですが、
その記事は次の塩竈神社にエントリーしたいと思います(^^)

(撮影日:2013年12月31日)


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