ちょっと情けない表情の狛犬 [狛犬・寺社(山梨県)]
山梨県韮崎市中田町、小田川の柳原神社。
国道141号沿いに細長く面して鎮座。
奉納相撲の土俵がやたらと高くて、実際に取り組むと怖そうだったり。
拝殿脇の神楽殿が鉄骨仕様で頑丈そうだったり。
いろいろありますが、やはりここは狛犬さん。
参道に対して平行=縦置きになっています。
建立年不明ですが、台座に「寅歳■」と右から文字で記銘があります。
それにしても、どうにも情けない表情です。
こんなに猫背で情けなさそうな顔つきの狛犬も珍しいですね。
いちおう阿吽になっているようにも見えますが、
それでも阿形の口も半開きっぽくて気合が入ってないww。
お尻は着座していなくって、微妙に浮き加減。
獅子というより完全に犬がモデルになっているような印象です。
じつは同市内に山神社というところがあって、
そこにこの柳原神社のものとよく似た狛犬さんがいるらしいです。
そちらは建立年が文化10年(1813)と分かっているらしく、
これに近い時期の制作だと仮定すると、
直近の寅年は文化3年(1806)の丙寅か、文化15年(1818)の戊寅。
判読不明な一文字が丙とも戊とも読めなくもないし。。。
もしくはまったく無関係な年の制作かもしれないし。。。
今回のツアーは残念ながらここで日没コールドとなってしまい、
山神社はまた後日の機会になってしまいました。
もうひとつの情けない狛犬との出会い、今から楽しみです。
(撮影日:2012年10月16日)
より大きな地図で 狛犬を巡る火の見ヤグラーな日々 を表示
国道141号沿いに細長く面して鎮座。
奉納相撲の土俵がやたらと高くて、実際に取り組むと怖そうだったり。
拝殿脇の神楽殿が鉄骨仕様で頑丈そうだったり。
いろいろありますが、やはりここは狛犬さん。
参道に対して平行=縦置きになっています。
建立年不明ですが、台座に「寅歳■」と右から文字で記銘があります。
それにしても、どうにも情けない表情です。
こんなに猫背で情けなさそうな顔つきの狛犬も珍しいですね。
いちおう阿吽になっているようにも見えますが、
それでも阿形の口も半開きっぽくて気合が入ってないww。
お尻は着座していなくって、微妙に浮き加減。
獅子というより完全に犬がモデルになっているような印象です。
じつは同市内に山神社というところがあって、
そこにこの柳原神社のものとよく似た狛犬さんがいるらしいです。
そちらは建立年が文化10年(1813)と分かっているらしく、
これに近い時期の制作だと仮定すると、
直近の寅年は文化3年(1806)の丙寅か、文化15年(1818)の戊寅。
判読不明な一文字が丙とも戊とも読めなくもないし。。。
もしくはまったく無関係な年の制作かもしれないし。。。
今回のツアーは残念ながらここで日没コールドとなってしまい、
山神社はまた後日の機会になってしまいました。
もうひとつの情けない狛犬との出会い、今から楽しみです。
(撮影日:2012年10月16日)
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南アルプス市の癒し系な狐さんたち [狛犬・寺社(山梨県)]
南アルプス市のふたつの稲荷系神社。
ひとつめ、同市飯野の三宮神社。
甲斐の国三宮となにか関係があるのかないのか。
とにかく拝殿が派手です。
やはり稲荷系ということで朱塗りなんでしょうかね。
裏に廻るとコンクリート塀で囲まれた石造りの本殿の前。
ちっちゃな狐さんたちが鎮座していました。
いや、鎮座というにはあまりにほのぼのした表情。
こんななごみ系の可愛い狐さんもなかなかお目にかかりません。
いい雰囲気です。
ふたつめ、同市築山の御崎神社。
山の中腹、九十九折の道を登って行く途中にあるのですが、
最初よく分からず通過してしまい、なんだか怪しい空間まで出てしまい。。。
慌てて引き返してようやく発見。
大きな社殿があるでもなく、
(写真はないですが)東屋のような建物と赤い小さな鳥居、
そして写真のような小さな石造りの社殿があるのみ。
でも、ここもまた小さくて愛想のよさげな、ほのぼの系の狐さんがいました。
傍らに首のもげた先代と思しき石像がありましたが、
今あるのは二代目ということですかね。
両社とも、なんとも不思議な感覚の神社でした。
(撮影日:2012年10月16日)
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ひとつめ、同市飯野の三宮神社。
甲斐の国三宮となにか関係があるのかないのか。
とにかく拝殿が派手です。
やはり稲荷系ということで朱塗りなんでしょうかね。
裏に廻るとコンクリート塀で囲まれた石造りの本殿の前。
ちっちゃな狐さんたちが鎮座していました。
いや、鎮座というにはあまりにほのぼのした表情。
こんななごみ系の可愛い狐さんもなかなかお目にかかりません。
いい雰囲気です。
ふたつめ、同市築山の御崎神社。
山の中腹、九十九折の道を登って行く途中にあるのですが、
最初よく分からず通過してしまい、なんだか怪しい空間まで出てしまい。。。
慌てて引き返してようやく発見。
大きな社殿があるでもなく、
(写真はないですが)東屋のような建物と赤い小さな鳥居、
そして写真のような小さな石造りの社殿があるのみ。
でも、ここもまた小さくて愛想のよさげな、ほのぼの系の狐さんがいました。
傍らに首のもげた先代と思しき石像がありましたが、
今あるのは二代目ということですかね。
両社とも、なんとも不思議な感覚の神社でした。
(撮影日:2012年10月16日)
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国産最古(?)の石造狛犬 [狛犬・寺社(山梨県)]
※註)(2015年4月13日)
この記事には追記訂正があります。内容は石造狛犬の国産最古に関する記述事項について。
最下段に記しましたので合わせてご一読頂ければ幸いです。
==============================
しばしエントリーの続く、この昨年10月の山梨ツアーで
いちばんの目的地だったのがここです。
山梨県西八代郡市川三郷町、大塚の熊野神社。
集落のはずれ、里山の中腹に静かな境内を持つ神社ですが、
こここそが狛犬愛好家では知らぬものはないといわれるほど有名な
国産最古とウワサされる石造狛犬が鎮座しておりまして、
初対面を果たすべく、車を走らせました。
例によって道に迷い(ホントに判り辛い場所なんです)、
例によってやっぱり裏手になる方角から無事に到着。
参道を歩くとすぐに随身門があります。
胸に菊花紋の入った、古そうな随身像がお出迎え。
なぜか随身像の足元に、ちっちゃなちっちゃな大国さまがおふたり。。。
さらに石段を上がった先が拝殿ですが、
その前に昭和初期の狛犬が一対、出迎えてくれました。
昭和4年11月3日建立。
上半身むっちりな、でもなかなかよい作りだと思います。
そしてお待ちかねの(?)・・・は、神殿の縁側に鎮座しています。
関係方面で諸説ある中、本体に記銘のあるものとしては
国産最古ではなかろうかといわれている石造狛犬。(←※下段追記参照)
いわゆる“はじめちゃん”の最古参。
ようやく念願かなって対面することが出来ました。
縁側で檻のなか、囚われの身です。
というか、さすがにこれだけ貴重な狛犬ですから、
万が一の盗難などを考えると、やむをえない措置なのかも。
制作年はお腹に刻まれていますが、簡単には読み取れませんね。
応永12年乙酉(1405)2月1日、建立。
室町中期の作品ということになります。
伝承としてこれより古い年代制作といわれる石造狛犬は他にもありますが、
やはり現物に記銘があるものとしては、この熊野神社のものは群を抜いています。
古い年代のはじめちゃんは腹部を彫り抜かれていないものが多いですが、
これは反対にしっかり彫り込まれているんですよね。
前足の股もしっかり彫られているため、やはり破損も。
表情は獅子というより、普通に犬に近いですね。
時代も時代ですし、獅子なんていわれてどんな動物か分かろうはずもなく、
本当に想像に任せて彫り上げられたのでしょうね。
狛犬という名前だけが先行して、本当に犬をモデルにしてしまったのかも。
なんにしても、貴重な狛犬さんには違いないです。
町の文化財になっているようですが、
みんなで大切に守り続けていきたいですね。
(撮影日:2012年10月16日)
===============================
(追記)
本文にて、応永12年(1405)を年銘のある国産最古の石造狛犬ではないか
と推測する文章を記しましたが、京都府京丹後市の高森神社には
文和4年(1355)の銘を持つ石造狛犬一対が居ます。
宮津市の籠神社にいる重文指定された推定最古石造狛犬との関連性もあるとされるほど
有名な一対で、文献資料などで拝見したことがあったのですが、この記事を書いた頃は
まだその情報を認識していませんでした。京丹後や宮津市方面へはなかなか行く機会も
ないのですが、いつか両社を訪れて対面を果たしたいと思います。
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この記事には追記訂正があります。内容は石造狛犬の国産最古に関する記述事項について。
最下段に記しましたので合わせてご一読頂ければ幸いです。
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しばしエントリーの続く、この昨年10月の山梨ツアーで
いちばんの目的地だったのがここです。
山梨県西八代郡市川三郷町、大塚の熊野神社。
集落のはずれ、里山の中腹に静かな境内を持つ神社ですが、
こここそが狛犬愛好家では知らぬものはないといわれるほど有名な
国産最古とウワサされる石造狛犬が鎮座しておりまして、
初対面を果たすべく、車を走らせました。
例によって道に迷い(ホントに判り辛い場所なんです)、
例によってやっぱり裏手になる方角から無事に到着。
参道を歩くとすぐに随身門があります。
胸に菊花紋の入った、古そうな随身像がお出迎え。
なぜか随身像の足元に、ちっちゃなちっちゃな大国さまがおふたり。。。
さらに石段を上がった先が拝殿ですが、
その前に昭和初期の狛犬が一対、出迎えてくれました。
昭和4年11月3日建立。
上半身むっちりな、でもなかなかよい作りだと思います。
そしてお待ちかねの(?)・・・は、神殿の縁側に鎮座しています。
関係方面で諸説ある中、本体に記銘のあるものとしては
国産最古ではなかろうかといわれている石造狛犬。(←※下段追記参照)
いわゆる“はじめちゃん”の最古参。
ようやく念願かなって対面することが出来ました。
縁側で檻のなか、囚われの身です。
というか、さすがにこれだけ貴重な狛犬ですから、
万が一の盗難などを考えると、やむをえない措置なのかも。
制作年はお腹に刻まれていますが、簡単には読み取れませんね。
応永12年乙酉(1405)2月1日、建立。
室町中期の作品ということになります。
伝承としてこれより古い年代制作といわれる石造狛犬は他にもありますが、
やはり現物に記銘があるものとしては、この熊野神社のものは群を抜いています。
古い年代のはじめちゃんは腹部を彫り抜かれていないものが多いですが、
これは反対にしっかり彫り込まれているんですよね。
前足の股もしっかり彫られているため、やはり破損も。
表情は獅子というより、普通に犬に近いですね。
時代も時代ですし、獅子なんていわれてどんな動物か分かろうはずもなく、
本当に想像に任せて彫り上げられたのでしょうね。
狛犬という名前だけが先行して、本当に犬をモデルにしてしまったのかも。
なんにしても、貴重な狛犬さんには違いないです。
町の文化財になっているようですが、
みんなで大切に守り続けていきたいですね。
(撮影日:2012年10月16日)
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(追記)
本文にて、応永12年(1405)を年銘のある国産最古の石造狛犬ではないか
と推測する文章を記しましたが、京都府京丹後市の高森神社には
文和4年(1355)の銘を持つ石造狛犬一対が居ます。
宮津市の籠神社にいる重文指定された推定最古石造狛犬との関連性もあるとされるほど
有名な一対で、文献資料などで拝見したことがあったのですが、この記事を書いた頃は
まだその情報を認識していませんでした。京丹後や宮津市方面へはなかなか行く機会も
ないのですが、いつか両社を訪れて対面を果たしたいと思います。
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おめでたい社名の神社と狐のご隠居さま [狛犬・寺社(山梨県)]
甲府市下曽根町、福歳大神社。
なんともおめでたい、ご利益のありそうな名前の神社。
由緒とか詳しいことは分からないのですが、
ネット情報によれば15世紀中ごろにこの地の治めていた
下曽根賢範という人が創建したと伝えられえているそうです。
狛犬さんは拝殿前にしょうわが一対。
昭和53年10月吉日建立。
社殿の裏手に摂社の小さな祠があり、
そこにすでにご隠居状態の狐さま(?)が一対座っていました。
以前は台座に組み込まれていたのでしょうが、
現在は台座はなく、祠にもたれかかっています。
一部欠損した様子もあって表情は分かりにくいですが、
どことなくほんわかした雰囲気があっていい感じです。
あと、傍らに丸石の道祖神が。
山梨、甲府地方はこういう丸い石で道祖神を祀るところが多いのだそうですね。
丸石神信仰という括りもあるようで、自分ははじめて知りました。
民俗信仰は地方色豊かで個性があって興味深いです。
(撮影日:2012年10月16日)
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なんともおめでたい、ご利益のありそうな名前の神社。
由緒とか詳しいことは分からないのですが、
ネット情報によれば15世紀中ごろにこの地の治めていた
下曽根賢範という人が創建したと伝えられえているそうです。
狛犬さんは拝殿前にしょうわが一対。
昭和53年10月吉日建立。
社殿の裏手に摂社の小さな祠があり、
そこにすでにご隠居状態の狐さま(?)が一対座っていました。
以前は台座に組み込まれていたのでしょうが、
現在は台座はなく、祠にもたれかかっています。
一部欠損した様子もあって表情は分かりにくいですが、
どことなくほんわかした雰囲気があっていい感じです。
あと、傍らに丸石の道祖神が。
山梨、甲府地方はこういう丸い石で道祖神を祀るところが多いのだそうですね。
丸石神信仰という括りもあるようで、自分ははじめて知りました。
民俗信仰は地方色豊かで個性があって興味深いです。
(撮影日:2012年10月16日)
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